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髪を濡らしたまま替えの着物を着たそいつはあれからすぐにもどってきた。


濡れたまま座った座布団にまた座ろうとするから

すぐさま他の座布団を出してやる。


顔が白いのも、顔色が悪いのも変わらないが

少し血色は戻った気がする。



「・・・髪、乾かすもんあっただろ」


「髪を乾かす・・・あ、ドライヤー?ドライヤーって・・・」



そこまで言って、そいつは口を止めた。

何を言おうとしたのか。


タオルに髪から垂れる水滴が落ちる。


とりあえず近藤さんに報告してくると出ていった総悟がいなくなったから

大広間に微妙な空気の俺とそいつが佇む。


どうしようかと困った様子のそいつに見兼ね

俺はそいつをちょいちょいと側へ寄せた。



「タオルで拭いてやるから、動くなよ」



目の前まで来てからそう告げ

反論なんてさせないうちに少し傷んだ髪をタオルですくってやる。


なにか言おうとしたように見えたが

何も言わず、足を三角におり、俺にされるがままになる。



「おめぇ、どっから来た」



俺の質問に、またそいつは答えない。


聞こえていないふりか、聞こえていないのか。

前者だろうその態度に、どうすればいいかわからなくなる。


暴力も恐喝も、こいつにはできない。


何より俺は知らなすぎる。


何から聞けばいいのかすら分からない。


何より、こいつは全てを正直に言うか。

名前だって、正しいかどうかわかんねぇんだ。



「お巡りさん、タバコ吸ってる?」



俺の質問には答えねぇくせに好奇心に負けたかそう聞く。



「最近、希矢素絶吸ったでしょ」


「・・・吸うのか」


「全然」



待っている間に吸ったタバコの銘柄をバチりと当てられる。


しかし本人はタバコは吸わないと笑う。


あぁ本当に、厄介な女を拾った。





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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします! (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん!あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています!真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか?よかったら教えて欲しいです!!いつも楽しみにしています!! (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年10月19日 21時

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