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「さて、A、ここの道真っ直ぐ歩くから

欲しいもんあったら言え、寄ってやる」


「安くて着やすい呉服屋さんに行きたい」


「・・・高くて可愛いもん着ろよ」



変な気遣いしてんなよ、そう思ったが

隣のそいつは首を横に、微笑みながら振る。


ほんとに要らねぇってことかよ。


女ってもんが元々わかんねぇ俺がこいつの意思を決めるわけにはいかねぇが。



「んじゃ、安いとこでいっぱい買うか」


「そんなに要らない」


「んな事言うなよ。近藤さんたちはおめぇのファッションショー見てぇだろうよ」



迷子んなんなよ、そういう俺に

少しの間を置いて、そいつは口を開いた。




「・・・土方さんは?」


「あぁ?」


「土方さんは見たくないの?」


「・・・俺ァ今此処で見んだろ」



変なこと言ってないではやく来いと歩く俺に着いてくる。


どういう質問なのか。

ファッションショーを見せたい?


いや、そうじゃない。


そいつの頬と瞳を見れば分かる。

そいつは俺に、興味を持たれたいと思っている、

自惚れか、本能的にそう感じた。


感じる壁は変わらない。

だが俺達は、明らかに距離が近づいてる。



「簪と日用品も買い替えるか」


「日用品?」


「シャンプーとか、頭さみぃだろ」


「・・・うん、でも、洗えるだけでも十分だし」


「洗えるだけで十分な人生は終わっただろ。

女らしくいい香り振りまいて、髪結ってろ」


「・・・うん」



複雑な表情で、そいつは少し俯く。


腕からちらりと見えた包帯に、俺は目を逸らして

人にぶつかられ小さく頭を下げたそいつの手を取った。



「迷子んなんじゃねぇぞ」


「・・・じゃあ離さないでね」






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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします! (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん!あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています!真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか?よかったら教えて欲しいです!!いつも楽しみにしています!! (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年10月19日 21時

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