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どれだけ眠ったか、そいつの苦しそうな声で目が覚めた。


いつの間にか握っていた手は離れている。


嫌だ、そう苦しそうに呟くそいつを、そっと揺らした。



「・・・A」



寝ているはずなのに息も荒い。

苦しそうなその姿に、毎日こうやって寝ていたのかと胸が痛んだ。


とんとんと肩を叩き、もう一度名前を呼べば

あの日のように、何も映さない瞳で少しの間何かを考えるような間が空く。




「・・・A」



もう一度名前を呼びかけると、そいつは少し口を開いた。


掠れた声で、土方さんと俺を呼ぶから

俺はできるだけ優しく頭を撫でながら、ん?と聞き返す。



「・・・起こしちゃった」


「気にすんな。ちょうど目ェ覚めただけだ」



納得していない表情で、疲れたような笑みを見せる。


そばに置いてあったタオルで、そいつの額を拭う。

じんわりとかいた汗。


まだ少し早い息遣い。



「寝れるか?」


「・・・手」



そいつのその一言を聞いて、俺はそっと、さっきと同じように手を出した。


そいつはまた俺の手を握って、自分の頬まで持っていく。



「・・・安心、する」


「なら好きに使え」


「・・・土方さん、私、久しぶりに、こんなに寝れたよ」


「そりゃ良かった」



いいから早く寝ろ、そう言って俺もまた布団の中に潜る。


そいつは、次は俺の手を離さないように

両手でそれを包み込んで、頬の位置に固定して、しばらくするとまた眠る。


俺も、そいつが無事に眠れたことに安堵して、そっと目を瞑る。


こいつがもう、朝まで目覚めねぇように。

怖い夢を見ねぇように。


俺の手でそれができるなら、いくらでも貸してやるから。






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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします! (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん!あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています!真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか?よかったら教えて欲しいです!!いつも楽しみにしています!! (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年10月19日 21時

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