4.銀髪 ページ4
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玄関の扉に貼られた、『鍵始めましたか』という貼り紙を見て
Aは持っていた鍵を強く握った。
先程までも、『冷蔵庫はきちんと閉めましたか』、『電気は消しましたか』といった張り紙を確認してきたので、もう忘れることは無いだろう。
ポンポンと頭から抜けていくAを思って桂が考えた張り紙方式はとてもいい案だった、とAはうんうんと頷いた。
張り紙に書かれたとおりに玄関の鍵を閉めた。
何も心配はなし、そう思って歩き出す。
今日は少しどんよりとしている。
そんなこと、気にもとめずにAは目的地に向かう。
途中、普段バイトをしている団子屋に挨拶をし
お土産に、と団子をいくつか買って、また歩く。
あの家には食べる怪物がいるから、少し大量に買ったので
普段より少し多めに団子が袋に入っている。
そんな白い袋を両手に抱えているためか、いつもより小さく見えるその姿に、銀髪が1人、声をかけた。
「まーだんなとこにいたのかよ」
「銀時!お土産買ってたんだよ」
ほら、と、両手に掲げていた袋を少しあげて見せる。
銀時と呼ばれたその男
いわずもがな、攘夷戦争で活躍したAとの同期。
また、桂同様松下村塾の、吉田松陽の弟子である時からの付き合いの2人。
はいはい、とAの手に持つ袋を奪い去る。
持ってくれたことに気づき、銀時にお礼を言うAにまたはいはい、と返事をする。
Aの子供のような明るさに、もう何年付き合い、どれだけ慣れていることか。
「ヅラは?」
「小太郎は攘夷志士の集会だよ」
「あいつぁまだんなことしてんのかよ・・・」
吉田松陽が、本当に死んでしまった後、天人と地球人の仲もそれなりに良くはなったものの桂は攘夷志士という言葉をなくせずに居る。
「小太郎は、まだここを侍の国にしたいんだよ。
もう天人を追い出そうとはしてないと思うよ?」
ニコニコと桂の弁論をするAに
ふぅん、と、興味をなさそうに返事をする銀時。
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RIO - 続きが読みたいです!!! (2022年3月14日 2時) (レス) @page21 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2021年9月1日 0時