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20.別問題 ページ20






ゆっくりと歩いたせいで家に着くまでに時間はかかったが

Aは少しずつ泣き止んでいた。



目を擦る手を銀時に止められ

手持ち無沙汰になった手を、静かに握った。



何番目だっていい、それは確かにAが本心で思っていたことだった。


桂のそばにいられるなら、もうそれだけでいい、

友達としてでもいい、ただ桂のそばにいられるなら。


昔から、変わらないAの気持ちだった。


子供っぽいと笑われ続けた性格を受け止めてくれ、

辛い時も苦しい時も、誰よりそばにいてくれた。


そんな桂を、Aは誰よりも好きだった。


誰よりも好きだからこそ、

Aは桂に嫌われることが、1番辛かった。



「おかえりなさ・・・Aさん?!」


「ごめんね、1晩、私もお泊まりさせて」



ごめんね、Aはもう一度謝り

新八に向けて笑顔を作った。


子供の前では大人の振りをしようとするAに銀時は俯いた。


何をどうして育ったらこんなに生きづらそうになったのか。


そんなに辛そうに笑うのならば

いっそ子供のように大泣きしてくれ、銀時は静かにそう思う。



銀時は確かにAに恋愛感情を抱いたことが無いわけではなかった。

抱けるかと聞かれれば当然今でも抱けるし

Aに告白をされていたなら、すぐに返事をしていただろう。


しかし、それまでなのだ。


桂とAのように、互いにあれほど好きになれる訳では無い。

むしろ、あの二人をみているからこそAを奪いたいなどという闘争心すら抱けなかった。


Aの重さも、桂の重さも、近くで見てきたからこそ

銀時は一時抱いたことのあるAへの恋愛感情を捨て

ただの妹だと扱えるようになって言ったのだ。


つまり、桂が銀時を疑うのも仕方の無いことではある。


が、それとこれとは話が別なんだよな、

銀時のあからさまな呆れ顔に、新八は首を傾げた。





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RIO - 続きが読みたいです!!! (2022年3月14日 2時) (レス) @page21 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年9月1日 0時

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