愛しています。[銀魂‐土方十四郎] (ページ8)

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8.偽りページ8

･A･

変わった人達だな。

なんて、私が言えたことじゃないけど。

部屋にいなさい、必要な時に呼ぶから。

そう言った両親を無視して表へ出た。

庭の花へ、甘い蜜を吸いにやってくる蝶々たち。

いつか、鳥になりたい、蝶々になりたい、雲になりたい。

色んな夢を見たけど、どれも、叶うわけが無い。

ここから出たいな、と、何度思ったことか。

風が冷たい。

また風邪をひくと怒られるな、と、笑みが溢れて。

あぁ、また笑ってる、と、ハッとする。

戻ろうか、そう思った時、メイドロボットのメイが私を呼んだ。

そういえば、さっき騒がしかったな、新選組さんが来たんだ、と察する。

呼ばれた方向を振り向けば、見慣れたメイと、見慣れない黒い服。

土方十四郎さん･･･。

私のことを知るはずもないその人が視界に入った。

いつだったか、屋敷を抜け出した時に私を迷子だと連行した人。

普通なら恨むであろうその人を、その時から、追うようになった。

まさか、副長さんが直々に来てくれてるなんて。

と、局長、副長、隊長というメンツが揃っていることも知らずに驚愕した。

いつものにこにことした表情を貼り付けて

挨拶をする私は偽りで。

誰もが振り返る容姿、誰もが羨む財政力、踏み外さないレールの上。

全てが約束された私は、好いている人の前でも、偽りを貼り付ける。

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