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ー愛してる ページ45






「十四郎さん、そろそろ起きて」



昨日の夜遅く、明日は休日だと言った十四郎さん。


やっと休みだと言いながら

時計の針が12時を回ってもずっと仕事をしていたけれど。


朝目が覚めた時、熟睡している十四郎さんが居た。



夜は私が先に眠りにつくことが多いし

朝だって、私が起きると起きてしまったり、先に起きているから

あまりそんな表情は見られなかった。


抱きしめられたまま暫くその場所を堪能していたけれど

あまりに十四郎さんが起きないから、生きているか確認してしまった。


そんな彼の腕を抜けて

朝の支度をして、起きるまでと本を読んでいたけれど一向に起きない。


本当に疲れていたんだな、と思って、またそのまま放置。


お昼を回り、それでも起きない十四郎さんを

さすがに起こそうと肩を揺すった。



「・・・今何時だ」



目を瞑ったまままだ眠そうに聞く十四郎さんに

12時半、と応えると、はぁ、と大きくため息をつく。



「よく寝れたみたいでよかった、おはよう」


「・・・もっと早く起こせ」


「だってお疲れでしょ?」


「せっかくの休みだろうが」


「・・・なにか予定でも?」



やっちゃったかな、予定あったのに忘れてたとか?

起こしてって言われてたっけ?と1人焦る私。


そんな私をジトリと見て腕を引く十四郎さん。



「たまの休日、2人でゆっくりしたいだろうが」



私に顔を見られないようにする十四郎さん。


とても可愛らしいことを言う。


思わず、クスッと笑ってしまう。



「それじゃあ、今からそうしましょう?」


「飯は?・・・まだか、食堂行くか」



そうと決まればと行動しようとする十四郎の腕を

今度は私が引いた。



「もう少しだけ」



そんな私の言葉に、フッと笑う。




「あんま可愛いこと言うんじゃねぇよ」


「こんな時間も久しぶりだから」



ぎゅうっと相手を抱き締めれば

十四郎さんからもきつく抱きしめられる。


こんな幸せを、手に入れられるとは思ってなかった。


ずっとあのままだと思っていた私を救い出してくれたのは

紛れもない、この人なんだ。



「十四郎さん、好きです」


「あぁ」


「とっても、とっても」


「わかってるわかってる」



背中を優しく叩かれる。

この温かさが、もったいないくらい幸せ。



「俺は愛してる」



元から愛なんて囁かない人が、急にそう言うから

私は驚いて、恥ずかしくて口に出せなかったけれど。



私も、愛しています。

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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