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ー心配 ページ40






「・・・あら?」



屯所内、土方さんの部屋。


質素で、必要最低限なものしかないこの部屋で

2人で暮らし始めてどれだけ経ったか。


・・・今朝バズーカで空けられた穴があるけれど。


あ、それと、屯所の人達にはきちんと、私がここで暮らす許可は取った。

今、真選組は会議中で

もちろん、メンバーでない私は会議内容が聞こえないように

ここを動かず、土方さんの帰りを待っている。


のだけど、今日の日付と、会議書類、

それから、極秘と書かれた書類が机にあることに気がついた。


あの人が忘れ物をするなんて。


さて、これをどうするか。


触れてもいいものなのかどうか。

もちろん見るつもりは無いけれど。


取りに来るのを待つ・・・来る、かな。


今日は朝から沖田さんのバズーカが部屋に飛んできたわけだから

すごく怒ってたし。


そんな状態で、自分が忘れ物したことを言い出せるものか・・・。


いや、あの人は言わない。

今日は特に、絶対に言わない。


ぱっと書類を手に取って見えないように慎重に会議室に向かう。


会議室の音、普通は聞こえないんだろうけれど

ギャーギャーと騒がしい音が聞こえてきて

あれ?会議終わった?と不思議に思う。


とりあえずノック。



「誰だぁ?会議中だぞ」


「私です、ごめんなさい会議中に」



いつも通りのイライラした声に

やっぱりダメだったかな?と心配になる私。


すると、バタンガタンとさっきよりも騒がしい音がする会議室。

音はどんどん近づいてきて凄い速さで宙に浮いた私。



「・・・え?」



出てきた土方さんに抱き抱えられて会議室から離れた場所で下ろされる。


どうしてわざわざと疑問に思いながら

息が荒れてる土方さんの背を撫でる。



「大丈夫ですか?」


「おま、なんであんなとこ来てんだっ!」


「これ、忘れ物かなって・・・」


「・・・あぁ、助かった」



そう言って私の手から書類を受け取る土方さん。


怒ってる雰囲気に、やってしまったかもしれないと心配になる。



「・・・ごめんなさい」


「・・・いや、違う、つまりだな、

あんなに男がいるような所にな、一人で来るもんじゃないっつーか、

し俺がいなかったらどうしたんだっつーか」


「・・・心配してくれたってことですか?」


「まぁなんだ、簡単に言うとだな、そういう、事かもしれねぇな」



そんなふうに照れ隠しをして

私を部屋まで送って戻った不器用な人。


早く帰ってこないかな。


ー独占欲→←あいより



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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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