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25、好きな女 ページ26






「なにか手伝わせて貰えませんか?」



土方さんと話していて

いつの間にか寝てしまっていたのは2日前の夜。


運ばれてくる料理を食べて

こっそり御手洗をして、お風呂に入る。


昼には土方さんと沖田さんと昼ドラ?を見る。


流石にぐうたらになっている、と思いそう聞いた。



「要らねぇよ、座ってろ」




土方さんとの距離は、少し縮まったと思う。

互いに、ボーダーラインは見えてるけれど。



「ちゃんと読み書きも出来ますし。

土方さん、仕事しすぎですよ。ちゃんと寝ないと」


「寝てる暇ねぇよ」


「だから手伝うと言ってるんです」



近藤さんはすぐ女性用の下着を手配してくれて。

でも、着物を買ってもらうのは申し訳なかったので

土方さんの着流しを借りている。


少しダボッとし、煙草の香りが残ってる。


その着流しを腕まくりして

貸してください、と仕事を無理やり手伝う。



「変なとこで強情だな」


「・・・好きな人の隈見たいなんて、誰も思わないでしょう、なんて」



何言ってるんだか。


簡単に、好きだなんて言っちゃいけないのは、分かっているのに。


止められなくなる。

この感情が苦しい。


もし、普通の、素敵な女の子なら

もしかしたら、振り向いてくれたのかもしれないのに。



「・・・俺ァ、好きな女がいる。」



なんて、思った私が馬鹿だった。


そんな可能性、大いにあったのに。

馬鹿だなぁ。


つくづく、世間知らずな自己中心的だと、自分に呆れる。




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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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