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14.惚れ込んでる ページ14

・A・




土方さんのおかげで、そよ姫様の部屋に入れた。


頭に真選組の隊服を被っているけれど。



「Aちゃん!いらっしゃいませ、お久しぶりですねぇ!」



うふふふふ、と笑う小さな姫様。

可愛らしくて愛らしい。



「そよちゃん、友達アルか」


「Aちゃんって言いまーす」



と、紹介されて、ぺこりと頭を下げる。


後ろから、小さくチッと舌打ちが聞こえてきた。


私の前には銀髪の、何も考えてなさそうな瞳をした男性と

両サイドにお団子をつけた可愛いチャイナの子、

それから、何の変哲もない眼鏡がいた。


土方さんの様子からして、お知り合いかな?

江戸は広いようで狭いな。


私は誰も知らないけど・・・。



「なんだよ土方くん幼女誘拐?」


「るせぇな、その人は大人だ、そして俺にそんな趣味はねぇ」


「大人?!・・・タバコも吸ってねぇなんざよほど惚れ込んでるようで」


「・・・んなんじゃねぇよ、仕事だ仕事」



銀髪さんが土方さんの所に行ってからかいだす。


惚れ込んでるなんて言っちゃって・・・、と、少し微笑んでしまう。

仕事、だけれど。


仲良いんですね、と声をかけたかったけれど

腐れ縁というか、きっと犬猿の仲なんだろう2人にそう言うと怒られそうで

会話を少し耳に入れるだけに抑えた。



「神楽言うアル、よろしくアル!」


「神楽ちゃん、初めまして」


「僕は志村新八って言います、あっちは僕たちの一応上司の銀さんです」


「よろしくお願いします、眼鏡さん、あちらが銀さんですね」


「いや僕名乗ったよね?!名乗ったよね?!眼鏡さん?!僕は眼鏡としか認識されないわけ?!」


「あ、志村さんって名前の眼鏡さんなんですね、ごめんなさい」


「違う!!いやもう、それでいいけどいや良くないけど、とりあえず違う!」






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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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