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11.方向音痴 ページ11

・土方十四郎・




最初の仕事はこれで終わり。


特に変わったことも無く、ただ、散歩しているような。


それじゃあ、ここで待ってますから。


そういった近藤さんの言葉に、その人はあの、と声をかけた。



「どうしました?あ、着いていきましょうか?」



優しく笑いながらそう言う近藤さんの言葉に

その人は心做しか顔が赤くなったような気がする。



「おひとり、だけ、お願いできませんか・・・?

あの、一度お城で迷子になったことがあって・・・」



迷子・・・?


確かに城はでかいが、行く場所が決まってて迷子になるものか?

案内役でもついてそうなもんだが。



「えっと、その、、道が覚えられないというか、方向音痴というか・・・」



誰とも目を合わせずに、口元は笑みを浮かべて

目線を泳がせるその人は、どこか恥ずかしそうだ。


そうか、方向音痴か、と理解する。


ほとんど家を出ないと聞いたし、んな事もあんだろうな。



「よし、じゃあトシ、行ってこいでさァ」


「トシって呼ぶな、そしてなんでお前が指示を出す」


「まぁまぁ、いいじゃないか、トシ、ついて行って上げなさい」


「それだったら年齢の近そうな総悟の方ができ人なんじゃねぇか?」



俺のその言葉に、ん?という表情をうかべる。


なんか変なことでも言ったか?と本人の様子を伺えば

あぁ、とまた笑い、口を開く。



「私、25歳です、土方、さん、の方が年近いですよ」



と一言。


やべぇ、と焦る。


つまり俺は、この人の見た目で年齢を相互と同じくらいもしくは20代前半と認識したわだが、

それはニコニコと笑うこの人に童顔だなと言ってるようなもん。


さらに、この見た目で25?と驚きを隠せなかった。





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作者名:あい | 作成日時:2021年1月19日 22時

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