14 ほんとの気持ち。 ページ15
気が付けばじっと、画面をみつめていた。
誰かが入ってきたことにも気がつかないほどに。
「かっこいいだろ。お前のお兄ちゃん」
!?
突如降ってきた、言葉に驚き、後ろを振り返るとそこにはそらるさんが立っていた。
「うん」
「そいつ、今日熱あんの知ってるか?」
「やっぱり?そんな気がしてた。大体、7度3分くらい?」
「流石。あたりだよ。じゃあ、会場にいるリスナーさんでまふが熱あるって気が付いている人どの位いると思う?」
「ゼロ。出演者とか、メイクスタッフでさえ気が付いてないかも」
「せーかい。実際、俺も気がつかなかったし」
「熱、あるのにあんなにすごいなんて、やっぱ天才なんだよ。お兄ちゃんは」
ボソッと、溢れた言葉。
トンッ
頭を軽く叩かれる。私の前に回り込んで目線の高さを合わせた彼方兄は
「まふが、天才って言われるの嫌っている事知ってるだろ。葵ならまふがどんだけ努力して今、歌ってるかも。その努力を無下にしちゃいけない」
彼方兄の言葉はすっと胸に入ってきた。
「うん」
「よしよし」
そう言って、優しく頭を撫でてくれる。Aがブラコンになるのに頷けるほど、心地よい。
モニターでは、まふまふさんがMCをしている。ああ、そうだった。初ライブの時部屋から聞こえた、MCの練習。煽りの練習。下手すぎてこっそりと笑った。
それでも、今まふまふさんが何か言うたび上がる歓声。
高すぎて見えないのに、近すぎて望んでしまう。辛いのは知っているのに、あんなかっこいい姿を見せられたら、隣に立ちたいって、思っちゃう。
「そー言えば、この前まふと会った時、よーやく見つけた!って言って、散々HyDの曲聞かされたよ。証拠は無い!って胸張って。で、その後一時間近く語ってたよ。やる気出せば、化けるって。いつか、コラボしたい。同じステージに立ちたいって」
「っ、」
「この後まふ休憩だから。ここ来ると思うよ」
「そっ、か」
「うん、俺出番近いからいくわ。あっ、Aよく寝てるし、10分くらい目離しても大丈夫だよ」
バタン
扉が閉まり、そらるさんは出て行った。
机の上には、救急箱の場所や氷がもらえる場所がわかりやすく書いてある、一枚のメモ。と、
ps 素直が一番。の文字。
ふぅ、Aには申し訳ないけれど、少し走ってこよう。
モニターを見ると、丁度まふまふさんが曲紹介をして、袖へとはけるところだった。
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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年2月11日 3時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りおな - 読みづらいのを解消するには…一行とか二行とかマスを開けたらいいよ! (2020年3月9日 18時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - (名前の)になってます。そして、読みづらいです (2020年3月9日 18時) (レス) id: fb07734dbe (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 登場人物紹介の志麻さんの字違いますよ!w (2019年11月1日 22時) (レス) id: 38755f3eb5 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 面白いです!!これからも頑張ってください!! (2019年6月14日 20時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鯉月 | 作成日時:2019年5月19日 12時