13 私 ページ14
天衣新side
それから、スタッフさんには兄弟である事を説明し、Aが起きるまでここにいることになった。
お兄ちゃん達は、もう準備に入るらしく楽屋を出て行った。
時々、戻って来たりするけれどみんな忙しそうで、真剣だった。その姿を見て、本当にステージに立つ人たちなんだなって思った。
私には、到底及ばない領域。
『どうして、ティアラは出来ないの？お兄ちゃんは出来たのに』
『本当に兄弟？全然似てないね』
『お前のお兄ちゃんは優秀なのにな』
はぁ。
また、言われるかな。推しに言われたら私、立ち直れないな。
お兄ちゃんとコラボすれば、底辺がでしゃばるなって炎上するだろう。
きっと、お兄ちゃんはその炎上を終わらすために「兄弟だ」と言うだろう。
そしたら今度は、いや、今度も「天才なお兄ちゃん」と比べられるのだろう。
普通に考えて、言うべきではなかった。お互いに知らないままだったなら、接することもなく私はそのうち辞めただろう。
でも、歌い手である事をバラしたのはどうしてだろう。
自分でもわからない。
いや、本当は分かっている。ただ、認めたくないだけで・・・
「んっ、お兄・・・あ、おい・・・まふ、にいちゃん・・・・く、ろ・・・お、か・・さ」
「！、A？起きたの？」
「 すぅすぅ」
どうやら、寝言だったようだ。いつものことだけれど、一度寝てしまったAは一定時間以上たたないと、よほどのことがない限り起きない。これは、Aの寝起きが悪いのでは無く、常服している薬の副作用によるもの。
だから、後３時間は起きない。３時間後は丁度フェスが終わる時間。「なんて、タイミングがいいんだ」とそらるさん、彼方兄は笑っていた。
キャャャャャ
遠くで、歓声が上がった。時計を見ると３時。開演時間。
フェスが始まったようだ。部屋の中は私たち以外に誰もいないので静かだ。
楽屋に備え付けてある、モニターを付けるとリアルタイムで会場が見られた。音を小さくする。
色々な曲を様々なペアで、ソロで、魅せ方で。
飽きない工夫があって、一曲一曲の終盤になると、必ず騒がしくなる廊下は、このフェスが多くの人によって出来ている証拠。
キャャャャャ
ずっと遠くにあるはずの、アリーナで起こった歓声がここにまで聞こえる。
お兄ちゃんのソロになった。
煽って会場を盛り上げて、今度は切ない曲で心をひきつける。
それは、まるで魔法使いのようで。気が付けばじっと、画面をみつめていた。
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ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2021年2月11日 3時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りおな - 読みづらいのを解消するには…一行とか二行とかマスを開けたらいいよ！ (2020年3月9日 18時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - (名前の)になってます。そして、読みづらいです (2020年3月9日 18時) (レス) id: fb07734dbe (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 登場人物紹介の志麻さんの字違いますよ！w (2019年11月1日 22時) (レス) id: 38755f3eb5 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯉月 | 作成日時：2019年5月19日 12時
