乃木双葉は勇者であるｰｰ鷲尾須美の章･弐ｰｰ (ページ17)

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11話ページ17

園子side

隣で2人が話しているがその声すら聞こえない程、興奮しながら鳥さんを茜色の空に掲げる

近くで見ると尚可愛いよ…！

サンチョランドに欲しい

でも…ね

チラッと横目に見えたあるモノ(････)を見てそれは薄れた

束の間の喜びに浸った後、鳥さんを店員さんに向けて差し出すと訳が分からないと言う様子で間抜けな声を出す

園子「それ4つと交換して」

指差した先には赤、青、紫、白(4人の色)のスカーフをつけた小さい猫の可愛らしいマスコットがある

－－
－－－

わっしーに連れられて綺麗に花火が見える場所まで辿り着くと、既に沢山の人が花火を見る為集まっていた

須美「ここからなら1番良く花火が見えるわ。穴場よ」

双葉『下調べはバッチリだね』

わっしーに微笑み掛けると得意気に腰に手を当てて言う

須美「過去のブログから特定したの！」

園子「そういうの得意やね～」

ﾋｭｰ、ﾊﾞﾝｯ

辺りが僅かに明るくなり綺麗な花火が打ち上がると、周囲から歓声が上がる

－－

須美side

須美「ありがとう」

不思議そうに小首を傾げるそのっちに｢これ｣と言い、さっき射的で交換したマスコット人形の紐部分を摘まむようにして持つと、2人も続くように花火を背景にマスコット人形を並べた

園子「うん、1つはミノさんの分ね」

中心にある赤いスカーフを巻いたマスコット人形を見ながら頷く

園子「私も…ありがとうね、わっしー」

いきなり発せられた声の主を辿ると、悲しそうに花火を見詰めているそのっちの横顔が見える

マスコット人形を下ろし、そのまま言葉を続けた

園子「私、選ばれた勇者がわっしーとミノさんとお姉ちゃんで良かった」

そう言うと花火から目線を離し、こちらを向き困ったような笑みを浮かべた

園子「…私ってほら、変な子じゃない。だから中々友達が出来なくって」

銀もそう言ってたけど、そのっちもそう思っていた何てね…

2人共本当に分かっていないわ…

須美「そのっちは変じゃないよ、素敵よ｣

私がそう言うと、先程の困ったような笑みとは何処か違う笑みが返ってきた

－－

2人の一連の流れを見守っていたが、堪えきれず微かに笑い声が漏れる

その声が聞こえたのか否か、2人が不思議そうに私を呼ぶ

双葉『そうだね、3人とじゃなかったらこんなに頑張れなかったかもね…』

花火に目を移しながらそう言うと、わっしーも花火に目を向ける

須美「銀はフォワード型だし、私は融通が効かなかったから…」