そんなの私のガラじゃない。 (ページ3)

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似た者同士の友達ページ3

神山高校に入学して暫く経ち高校生活にも何とか馴染めて来た頃、同じクラスに友達が出来た

「あ、A。これ良かったら…」

緑と灰色が混ざったような髪色の癖毛を揺らし綺麗な紫の目をこちらに向けるのは、私の前の席に座る草薙寧々ちゃん

彼女も私と同じような性格みたいで最初の頃は2人してぎこちなく話していたけど、今になってはもうすっかり仲良しになった

因みに寧々ちゃんに渡されたのは、フェニックスワンダーランド…通称フェニランのチケット

それを受け取り｢ありがとう…？｣と返すと、寧々ちゃんに｢何で疑問系なの…｣とツッコまれた

だ、だって！

これって、あれだよね…

友達と一緒に遊園地で遊ぶっていう夢にまで見たイベント…！

そもそも誰かに遊びに誘われる何て始めてだし、そんなの動揺するに決まってる

しかも、友達と2人きり何て…！

そんな事を思い、1人テンパってると寧々ちゃんは｢はぁ…｣と小さく溜め息を溢して言葉を続けた

寧々「わたし、そこのワンダーステージって所でショーしてるの。良かったら見に来て」

そう言われ勝手に舞い上がっていた自分が馬鹿らしくなったが、それよりも寧々ちゃんの言葉に驚きが隠せなかった

『え、ショー…？』

寧々「うん」

『フェニランで…？』

寧々「うん。言ってなかったっけ？」

いやいやいや！

『ショーをやってるのは知ってたけど、フェニランでショーやってる何て初耳だよ！？』

てっきりどっかの劇団に入団してやってるとばかり思っていたけど、そうではなかったみたい

まぁ、中学時代は地元の劇団に入ってたけど何か色々あってやめたらしい…

あんまりこう言うのは根掘り葉掘り聞かれたくないだろうから軽く流して置こう

寧々「で、その日来れる？」

寧々ちゃんにそう言われ、チケットに書かれた日付に目を落とす

あ、この日…

『ごめんね、寧々ちゃん。その日、用事があって行けないや…』

そう答えると、｢そっか…｣と言ってしょんぼりした表情を見せる寧々ちゃんに何だか物凄く申し訳ない気持ちになる

私も寧々ちゃんからショーの練習の話を聞く度、楽しそうに話す寧々ちゃんを見てどんなショーをしてるのかずっと気になっていた

時々、突拍子もない事を聞かされてクエスチョンマークを浮かべる時もあるけど、それすら楽しそうだなって思える

だから行きたいのは山々だけどその日はもう既に予定が入ってしまっている為、行きたくても行けない

しかも、それが外せない用事だから尚更ね