三輪先輩と後輩ちゃん

京都姉妹校交流会ｰ敵襲ｰ*2 ページ25

【後輩side】

五条「もしもし〜。珍しいね、Aから電話掛けて来るの。どうかした？」

『全く、どうしたもこうしたもねぇですよ』

電話越しからイラつかせるには十分過ぎる程呑気な声が聞こえ、自身を落ち着かせる為に溜め息混じりにそう答える

そんな事より、とっとと言うべき事を言わないと

この通話もいつまで持つか分からねぇですからね

スピーカーにしてる事を確認して、さっき特級呪霊らしき奴に会った事や三輪先輩が呪霊が彷徨いてるこの森で眠ってる事…それから私の憶測の話も一応伝えておいた

三輪先輩の件やあの特級呪霊の件は先生方が今から向かう所だったみたいで、何とかなりそうだ

でも、あくまで私の勝手な憶測の話は人手の関係でどうこう出来そうにないっぽい

ここから呪物が管理されている倉庫までそんなに距離もない

…なら、私が取るべき行動は1つ

｢うーん｣と唸る声が電話越しで聞こえた後、私の行動を察してか｢ちょっと待とうか、A｣と静止の声を掛けられ仕方なく足を止めた

『何です？』

五条「取り敢えず倉庫に向かうだけ向かって、何かあれば連絡頂戴。んで、その場で待機ね。何があっても僕達が来るまで何もしちゃダメだよ」

さっきまでのおちゃらけた声から一変、真剣な声に変わり何となく背筋がピンと伸びる感覚と懐かしい感じがして思わず笑みが漏れる

『…分かりました。絶対ちょっ早で来てくだせーよ』

五条「任せなさーい」

そんなこんなで、言うべき事は言い終わり電話を切った私は呪物が管理されている倉庫へと向かった


私の憶測が的中してない事を願いながら


ふぅ、やっと着いた

今の所特に異変なさげだと思われた次の瞬間、ツギハギの人形呪霊が鼻歌混じりで倉庫から出て来るのが見えて思わず目を見開いた

マジっすか…

息を殺しながら恐る恐る人形呪霊の様子を窺う

遠目で良く分かんねぇですけど、手に何か持ってるのが見える

…何だろう、あれ

そんな事より早くアイツ逃げ拘束でも何でもしねぇと逃げちまう

そっちの方が後々厄介だろう

でも、私何かが足止め出来るような奴じゃないのは明白だし、あの白髪野郎なら何があっても動くなって言われてるしなぁ…

…何て、御託を垂れてる間に奴の姿が目の前から消えた

そう目の前から

『…っ！？』

「ねぇ、君ここの呪術師だよね？名前は？」

いつの間にか背後を取られ、ねっとりとした気色悪い声で喋り掛けて来やがるのは、ついさっきまでそこに居た人形呪霊


やばっ…

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