三輪先輩と後輩ちゃん

京都姉妹校交流会ｰ団体戦ｰ*6 ページ22

【先輩side】

相手は長物

間合いを詰めたいのに躱す受けるで精一杯！！

刀身が剥き出しなら私2回は死んでる！！

これで4級術師！？

2級呪霊くらい難なく倒せるでしょ

真依のお姉ちゃんからの怒涛の攻撃に受け身を取りながら、心の中でそんな事を思っていた

って言うか、何で障害物の多いこの森で大刀振り回せるの！？

三輪「うっ…！」

崖ギリギリの所で真依のお姉ちゃんに蹴りを入れられ、その反動で崖下へ転がり落ちてしまった

いったぁ…

着地した所が水面だった事が不幸中の幸いだ

何とか受け身を取り体勢を立て直すが、上から真依のお姉ちゃんが飛び降りて大刀を構えているのが見える

間一髪の所で移動し、距離を取った

危なかった…

あのまま気付かないであそこに留まってたら、仲良く水と一緒に突き刺されてた

そんな想像をしながら刀を一度鞘に戻し、簡易領域を発動させる体勢に入る

三輪「シン･陰流、簡易領域＿」

"シン･陰流、簡易領域"は半径2.21mの領域内に侵入した者は全自動(フルオート)反射で迎撃する

両足が展開時の点から離れたら解除される

中でも、正面の敵に特化した"抜刀"は刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させるシン･陰流最速の技

これで決めるなんて考えるな

まずは全力で隙を作る

そんな事を思っていると何を血迷ったのか、真依のお姉ちゃんは｢と、なれば…っ！｣と言いながらさっきまで使ってた呪具を真っ二つに折った

え、折った…！？

唯一のアドバンテージをここで捨てるの！？

突然、投げ付けられた大刀の柄の部分を反射的に抜刀で防いだ

そこで始めて後ろにも武器が隠されていた事に気付く

暗器！！


勘が良い！！

囮(テコイ)で間を潰しに来た！！

距離を詰めて来る真依のお姉ちゃんの攻撃を刀で防ぐが、実力差に押されて両足が離れて簡易領域が解除されてしまった

でも大丈夫、一度離れてギリギリまで引き付けてから＿

作戦を練っていると、真依のお姉ちゃんに水面に叩き付けられ投げ飛ばされた

合気！？

器用な人！！

そんな事を思いながら、また受け身を取って素早く起き上がる

そこで定位置にあるはずの物を掴もうにも掴めず、サーっと顔が青ざめてくのが分かる

三輪「あれ…？」

ない…

真希「良い刀、持ってんじゃん」

あ、それ…私の…

三輪「太刀取り…返して？」

それがないと私、戦えないの…


真希「でもこれどっかで…あ、もしかしてAとお揃いか？」

三輪「そうなんです…だから返して？」

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