三輪先輩と後輩ちゃん

京都姉妹校交流会ｰ団体戦0ｰ*5 ページ13

【後輩side】

バタンと箱の蓋が勢い良く開く音がして、何か飛び出して来ると思い反射的に目を瞑ると場違いな元気な声が聞こえた

「はい！おっぱっぴー！！」

五条「故人の虎杖悠仁君でーす！」

そんな事を言う目隠し野郎の言葉に閉じてた目を見開いて、目の前の光景を見る

そこには、某芸人の決めポーズを決めた死んじまった筈の虎杖君(？)の姿があった

え、待って…もしかして偽物とかじゃねーですか？

ほら、最近の最新鋭技術を使って虎杖君そっくりのAI作ってみましたー！とか言うドッキリ的なやつあるじゃねーですか

もしそーならタチ悪ぃですね…

混乱する私を他所に伏黒君と野薔薇ちゃんは先輩達と同じく、何とも言えない酷い顔をしていた

ガビーンと効果音が付きそうなぐらいあからさまにショックそうな顔をしてたが、問答無用で目隠し野郎は京都校メンバーの方に虎杖君擬き(？)を向けて見せびらかしていた

五条「はーい、京都の皆さーん。これが宿儺の器、虎杖悠仁君ですよー」

けど、優しい三輪先輩でさえも虎杖君に目も暮れず目隠し野郎に貰った変なキモカワ人形を見て目をキラキラ輝かせていた

可愛い…(真顔)

あ、箒持ってる子の表情も可愛い…じゃなくて！

何で三輪先輩、そんなに嬉しそうなんですか！！

因みに箒持ってる子を含めて三輪先輩以外の京都校メンバーは、あの良く分からん変なキモカワ人形をゴミを見るような目で見たり摘まんだりしてましたよ

そんな時｢宿儺の器！？どうゆう事だ…｣と言う声が聞こえ、声がした方に目を向けると学長さんと京都校の学長さんだと思われる杖をついたピアスバチバチのおじいちゃんが居た

そんないかにも怖そうなおじいちゃんに手を振り、｢楽厳寺学長〜｣と超年上に舐め腐った態度を取て京都校の学長さんと何やら話ているうちらの担任はきっと社会に出たら大変な事になるに違いない…ってもう手遅れか

まぁ、そんな事はどうでも良いんです

それよりも…

『虎杖君…本当に虎杖君でいやがりますか？』

虎杖「お、おう…」

『偽物とかじゃねぇですよね…？』

そうガラにもなく弱々しく言う私の手首を掴み、｢偽物なんかじゃねーよ。ほら触れんじゃん…｣と困ったように笑った

触れた手から温かい体温が伝わって来て本物だと分かった瞬間、堪えてたものが雫となってポツリポツリと零れ落ちて地面にシミを作ってく

『良かった…生きてて良かった…っ』

涙を拭いても拭いても、次から次へと溢れて来て一向に止む気配がない

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