検索窓
今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:11,237 hit

Hokuto-7 ページ35

【Your Side】

時の流れは速い。
近頃は特に、そう感じることが増えた気がする。

3ヶ月ほど前、私たちは入籍した。
そして、そのタイミングで今まで松村くんと突然退社じゃ迷惑かけちゃうから話しておいた上司以外には黙っていた彼の存在と、今年の3月で退社することをまわりの同僚や後輩たちにも伝えた。

それからなんだかんだで時間は流れていって、秋が終わって冬が来て、年まで明けてしまった。
この職場で過ごすのもあと2ヶ月なんだ、そう思うとなんだか急に寂しくなる。

今までそこまで親しく話したことのなかったような同僚からも飲みに誘われて。
私のためのものだって分かっていても、そもそも人と飲みに行くこと自体があまり好きじゃない私にとっては、正直、面倒くさい。
久々に松村くんと飲みたいな、なんて思ってみたりしたけど、生憎残業終わりのお疲れハイじゃない私は、松村くんを誘う勇気なんて持ち合わせていない。

松村くんから誘ってきてくれたりしないかなぁ...。

まぁ、人生意外とミラクルって起こらない。ここでミラクルが起こるような人徳を今まで積んできた記憶もないし。
呑気にそんなことを思っていたら、あっという間に3月はやってきてしまった。
少しずつ、荷物もまとめはじめて。仕方のないことだとは思いつつも、この場所から私がいた痕跡が少しずつなくなっていくのはなんとも形容しがたい寂しさがあった。


.

Hokuto-8→←Hokuto-6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
設定タグ:田中樹 , 高地優吾 , 松村北斗
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夕霧に向日葵 | 作成日時:2021年9月25日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。