Call me------ (ページ31)

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Hokuto-3 ページ31

【Your Side】

同じ部署で働く松村くんとは、3年前、彼が入社した当時から関わることが多かった。
デスクも向かいだったから話す機会も多くて、誰かにはっきり言われたわけじゃないけど、なんとなくお世話係的なポジションになった。

松村くんはたくさん喋るわけではなかった。それでも、言葉の端々からは確かに彼の人間性が伝わってきて、1か月もしないうちに私たちは打ち解けた。
別に会社の人たちとうまくいってないわけじゃないけど、先輩だけでなく同僚とも打ち解けるまでまあまあな時間を要した私にとって、口数が多くない松村くんは話しやすく、盛り上げよう、みたいに変に気負わなくていい存在だったのはかなり大きいと思う。
松村くんもそれは同じだったのか、ほどよく懐いてくれていた。

残業終わり、
[今日行く？]
と聞くと、
｢ご一緒したいです！｣
と答えてくれる。
会社からそのまま駅前の居酒屋チェーンに2人で飲みに行く時間が私は好きだった。
普段の、テキパキと仕事をこなす松村くんからは想像できないような、まるで高校生みたいに楽しそうに笑って喋る松村くんが見られたから。
飲む量は、私も松村くんも多くはないけど、少しずつ、ゆっくりと、仕事、学生時代、近況...色々な話をする。
そして、まわりのサラリーマンたちのテンションが最高潮に達するくらいの時間帯に店を出て、終電の3本前に乗って帰るんだ。

それもあと数回なんだ、と思うと寂しいけどね。