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Juri-10 ページ11
【Your Side】
[でも、帰んないでほしい。寂しい。]
思わず、発してしまった言葉。
でも、後悔したところで今さら遅い。だって、発した言葉は、消えないから。
｢...｣
あーあ、樹黙っちゃった。
樹もいなくなっちゃったら、私、どうしたらいいんだろう。
[いや、ごめん！うざかったね今の。忘れ...]
｢あのさ。｣
忘れて...って。そう言おうとしたら真面目な顔をした樹に遮られた。
｢ずっと思ってたこと、言ってもいい？｣
[...うん。]
｢俺さ、Aのこと好きなんだよね｣
え...？
そう思ったのはどうやら顔にも出ていたみたいで。
｢“マジ？信じらんねぇー”って顔してるぜ？｣
って、少し笑顔になった樹に言われた。
[え、でも、だって...]
冗談じゃ、ない。
樹は、こんな顔で、こんな声で、冗談を言わない。
[...いつから？]
｢初めて会ったとき。一目惚れ、だったんだよね。｣
初めて会ったとき...
5年以上前だ。
｢俺、一目惚れって初めてでさ。見た目がこんなだから色々言われてきたけど、彼女だって高校の時に1人いただけで。それも向こうからだったからさ、どうやって話しかけたらいいとか、どうアプローチしたらいいとか、全然わかんなくて。｣
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作者名：夕霧に向日葵 | 作成日時：2021年9月25日 15時
