☆なんでだよ…? ページ1
Kazuma side
壱「…はぁ」
北「壱馬無理しないで」
R「Aちゃんと今日ちゃんと話ししなよ」
壱「…はい。ありがとうございます」
イベントのリハを行っている今、いつも通り体は動かないわ声の調子は悪いわで
私情を仕事に持ち込んでプロ意識が完全に欠けている俺は本当に情けなかった。
.
昨日、家に帰って携帯を見るとAから何件もLINEや電話が入ってたけど
…今電話なんかで声を聞いてしまったら絶対に俺は酷い言葉をかけてしまう
そう思って返信はしなかった
そういえばA、よくメイクルームで練習するんだって言ってたっけ
…終わったら行ってみようかな
.
リハが終わり、メンバーには先に帰っていいと伝えてからメイクルームに向かった。
着いてドアをノックすると、中からAの声が聞こえた。
『はいどうぞ』
その声を合図にドアを開けると、ノートを見ているAがいた。
…次の瞬間、Aの口から発せられたのは
また ” あの名前 ” だった。
『ねえ玲於あのさこの前の…』
.
俺は何かが刺さったように胸が苦しくなった。
…昨日と同じ、この感覚
” 玲於 ”
と言った瞬間に蘇る昨日のAの笑顔
…この前って何だよ?
俺が知らない二人だけの時間があったということに、嫉妬で狂ってしまいそうだった。
そしてノートから俺に目線を向けたAは、俺を見た瞬間目を見開いた。
『…え、なななんで』
壱「…玲於さんじゃねんだけど」
『…はい』
俺は昨日と同じ感情が込み上げ、Aに向き合うように座り鞄を乱暴に置いた。
壱「…あのさぁ」
『はい…』
壱「なんで玲於さんのこと呼び捨てで呼んでんの?」
『え…』
壱「昨日、玲於さんAって呼んでたしAも玲於って呼んでたじゃん」
『あ、玲於がそう呼べって言って…それに、私のこと呼び捨てにしてるのは玲於だけじゃないよ』
壱「…俺は」
『え?』
壱「俺はまだ、呼んでくれねぇの…?」
俺は思ってることをぶつけた。
でもいざとなってAの口からその名前を聞いてしまうと
…怒りや嫉妬よりも、悲しみが込み上げた
.
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作者名:もも | 作成日時:2017年8月22日 0時