人混みで体調不調になったけど。 ページ9
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ゾロゾロッ_____
人の多い所が嫌いな私。
だが今、人混みの中に居る。
それは二日程前に遡る。
「坂田ともコラボして貰えないでしょうか?」と推しからDMが来たので、勿論断らずに承諾をした。
そしたら「無黒。さんと一度お会いして話をしませんか?」と言う話になってしまった。
断れなかった私は“仕方無い”と腹を括り、名古屋から東京へ向かったのだが_____東京は想像以上に人が多かった。
人の多い所が嫌いな私にとって、人混みを歩くなんて罰ゲーム以外何でも無い。
気分が悪くなって来た。
人混みの改札を抜け____
近くのトイレに駆け込み何度か嘔吐した。
おかげで気分がマシになりトイレから何事も無かったように出る。
推しと時間は約束したが、場所や特徴など聞くのを忘れていた。やっちゃった。
配信や映像で何度も推しを見て分かる筈なのに_____人が多過ぎて全く分からない。
帰ろうかな____
そう思い私は改札の方へ向き直そうとした。
視線が自然と駅の入り口に向いた。
するとチラッと人影が見えた。
推しかも知れない_____直感的にそう感じた私は駅の入り口の方へ向かって歩いた。
少し癖っ毛の茶色の短髪。
男の人にしてはちょっと小さめな身長。
春先で肌寒い為かベージュ色のコートを着ていた後ろ姿だけですぐに分かる_____推しだと。
歩いていた両脚が自然と止まった。
推しを見ると_____
初めて行ったライブの日を思い出す。
初めて見たライブを中断させた申し訳無さで、もう二度とライブに行かない_____と心に誓った事を。
でも今回は違う。
一般人として東京に来た訳じゃない。
今は歌い手の無黒。なんだ。
ネガティブな思考を吹き飛ばし、左胸に左手を当て深呼吸すると気合を入れてまた歩き出す。
推しの元へ近づきながら、ポケットに入れていたスマホを出してメモ機能を立ち上げる。
左手で素早く文字を打ち込む。
トントンッ_____
緊張しながらも推しの左肩を右手で軽く叩く。
すぐに気付いて振り向いてくれた推しに___
丁度顔が見えないようスマホで隠し、素早く打ち込んだ文字を見せる。
少し画面を明るくしてから。
[はじめまして。
うらたぬきさん………ですよね?
私が無黒。又は骸です。
人見知りでコミュ障なもので、暫く会話の返答は文字で構いませんか?]
前々日から話は進んでいて。→←うらさかの休日をチラっと考えてみました。
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天音 - 絵上手いね〜!投稿がんばって〜!! (2022年7月25日 14時) (レス) @page10 id: 531cec0c9c (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - 、さん» コメントありがとうございました!面白いと言って貰えて嬉しいです! (2022年5月7日 22時) (レス) id: 28ae65840c (このIDを非表示/違反報告)
、 - あと、この作品すっっごく面白いです! (2022年5月1日 21時) (レス) id: a2d70f47a0 (このIDを非表示/違反報告)
、 - うちよりかは断然文字綺麗ですよ!更新頑張ってください! (2022年5月1日 21時) (レス) @page35 id: a2d70f47a0 (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - カリナと咲さん» コメントありがとうございます。私自身は漢字を書くのが好きでノート買って書いてますね。褒められると照れますね(*ˊᵕˋ*) (2022年2月12日 19時) (レス) id: 49b8445b3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十騎 幽鬼 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年1月5日 9時