愛して欲しいだけなのに。【浦島坂田船】

＃自分で慰めるしかない ページ6

*







「だっる」




うらたんが真顔でそう言った。


思わずその場から逃げ出したが部屋に戻ってもすることはない


外へ散歩に行こう…


そう思いついたときにはもう靴を履いて外へ出ていた


思ってることとやってることちょっと違うなぁ、あはは




『ふッ…なんで、私がこんな思いッ…！！』




毎日流しているのに一向に枯れることを覚えない私の涙腺


辛い、苦しいなんて言葉ではもう表せれない




《こんなの毎回だし慣れたんじゃない？》




こう思う人はいるかもしれないけどやられる回数が増えていくほど


辛くなっていくのをあなたは知らないでしょうっ…？




〈おねーさん、俺らと買い物行かない？〉

〈俺らが奢るからさ！〉

〈泣いちゃって…俺らと楽しいことしよっか？〉




ニヤニヤして話しかけてくる若い男の子


君らのことは眼中にない。…邪魔だなあ


彼らのことしか愛せなくなっている私にナンパは通用しない




『ごめんね。お姉さん、男の人とこれから遊んで来るんだ』ｸｽｯ




見下したように若い子に伝えると悔しそうにして何処かへ行った


私、これからどうしようかな


彼らは私が居なくなってもなんとも思わないだろう


そう考えているとまた抑えていた涙が溢れる


私は、自分で…自分で慰めるしかないのだ………







私には行く当てもないので小腹を満たして家へ帰った。









*

＃好きになっただけで→←＃行きたくても行けない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す