かくしごと

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「どういうことですか！？退院って」

「そのまんまよ、小宮さんはもう退院させるの。」

Aちゃんの担当医から呼び出されたと思ったら退院？
ありえんやろそんなん

「いや、でもリハビリとか医療ミスとか」

「坂田くん、病院はイメージとかが下がってはいけないの。ましてや小宮さんは今注目になってるのよ？煽り運転で追突されて誰も助からないと思った家族から1人だけ助かったの。それを助けたのがうちの病院。それが医療ミスしたなんて知られたら意味無いわ」

「…………」

そんな病院だなんて思わなかった
医療ミスをしたという事実を隠すだなんて

「辞めます」

「は？」

「辞めます、こんな汚いところ」

「ちょっと待って、あなたは色々な患者から慕われてるの。辞められたら困るわ」

「Aちゃんはここを出たら行くところないんですよ。だから、Aちゃんが退院するのに合わせて僕も辞めさせていただきます」

失礼しました。
とお辞儀をして外へ出た。


胸クソ悪い。
なんで世の中ってこんなに汚いんやろうな

「Aちゃん、おはよう」

今日も相変わらず外を見ているAちゃん。
そんなに外見ても見える景色は変わらないと思うんやけど。

［私、いつになったら喋れるのかな］

と紙に書いてみせてきたAちゃん。

「うーん、もうちょっとかかるんやない？」

［いつになったら笑えるかな］

神経が傷ついたのが戻るのには時間がいる。

「それはまだかかる」

悲しそうな顔して俯いてしまった。

あ、Aちゃんの気持ちまたわかった

「僕ね、Aちゃんの気持ちわかるようになってきたかも」

［先生、優しいから好き］

と書かれた紙。

「……ふふふ、ありがとう」

さて、退院のことを伝えないとな

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