[男主][歌い手]炎上しました。男同士ですけど。[まふまふ]

じゅうよん ページ16

さっきのは夢だろうか。
夢だとしたら凄い。
だって、今も押された感覚が残っているんだもの。

いつの間にかベッドに運ばれていた。
青を基調とした落ち着いた大人っぽい家具で揃えられた部屋はそらるさんらしい。

ああ、そうだ。
配信、どうなったんだろう。
気を失うだなんて、また迷惑をかけてしまったな。

暫くぼうっとしていると静かに寝室の扉が開けられた。僕が起きているかの確認かな、なんて思い

｢おはよ｣

と声をかける。
扉を開けているのは誰かは分からないけど。

｢起きたんか！？いつや、いつ！｣

優だった。
高校の時の友達で歌い手あほの坂田。となりの坂田。の方がいいのか？
若干高すぎる気もする優のテンションに圧倒されながらも

｢えと、ついさっき｣

と答える。

｢そーなんか、体調どう？

最近色々あったやろ？｣

こいつは僕を泣かせるつもりか？
そんな優しい言葉をかけられたら泣いてしまうよ。

涙を堪え、

｢大丈夫。

ところでそらまふは？｣

｢無理はするなよ〜

ふたりはなぁ、リビングにおるで。

うらさんもおるで！｣

｢浦田さん、忙しくないの？

わざわざ？｣

｢なんかなー、仕事なんかよりもAのことの方が重要だとか言っとったで｣

浦田さん……。
仕事よりも、ってうらさかのふたりはどうも僕を泣かせたいらしい。
泣いてやるもんか。
僕は強くなったんだ。
さっきの夢で目が覚めた。

｢優、ありがと｣

僕の出来る最高の笑顔で礼を言う。
そしてベッドから降り、優の手をとる。

｢リビング行こっか｣

優はいつもではありえない僕の大胆な行動に驚きながらも笑い、

｢そやな｣

って。

本当にいい友達だよ。

じゅうご→←じゅうさん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す