107話 ページ9
「……あ、A」
スマイルが、自分の首からネックレスを外して、私にかける。
「今回も怪我なくて良かった」
『ありがとうございます』
この瞬間はいつでも、嬉しくて笑顔になる。スマイルにも、愛おしげに微笑みを返された。
スマイルがこんな顔をすることを知らなかったであろう一般兵およびメイドたちがどよめいた。
ロボロは、雑面を外すことなく、口元だけめくって食べるという荒技を披露。
幹部だけの時は、外しているのに。
ゾムはいつも通り、コネシマ相手に食害を始める。
どこからか、「これが噂の、ゾム隊長の食害…！」と、そんな声が聞こえてきた。
心の中で苦笑い。
「お皿、お下げいたします」
「別に自分で運ぶゾ？」
メイドの言葉に首を傾げる。
「いえ、総統様に運ばせるわけには…！」
ぞろぞろとメイドがやって来た。
やがてグルッペンが折れて、お皿を渡す。
と、そんな中で、大勢のメイドに混ざってやってきた、一般兵。
水の入ったグラスを手に持っている。…というか、手に持った上で、もう片方の手のひらでガラスの上部を覆って、押さえている。
……違和感。
『…ちょっと、失礼します』
念のため、いつでも動けるように、立ち上がる。
一般兵から、殺気は特段感じない。
クロノアの方に進み、
「ん？どうした？」
怪訝な顔をするクロノアの頭を、ガッと掴んだ。
「…ッッ！」
声を上げようとして開いたクロノアの口に、ガラスの水がかけられそうになり、
私は咄嗟に飛び出て、体で受け止める。
ジュワッという嫌な音と臭い。メイド服が、胸元からぐんぐんと溶けていた。目を見開くとともに、肌が見える。
幸い肌に触れる前に気化したみたいで、もう濡れてはいないように見える。
憎しみの目で私を見つめる一般兵。一番近かった私は、急いで拘束する。
「A、大丈夫⁉︎…⁉︎」
立ちあがろうとしたスマイルに向かって突然、別の一般兵一人が果物ナイフ片手に突進して来た。
『…ッ、スマイル‼︎』
手が離せない。でも、このままじゃ…！
私が動く前に、ゾムとショッピが飛び出して果物ナイフを叩き落として、腕をねじりあげて拘束した。
あまりにも一瞬の出来事に、広い広い食堂が静まり返った。
「…コネシマ、シャオロン、そいつらを地下牢へ」
グルッペンが低く低く、怒りを抑えながら言った。
私から一般兵を受け取って、二人は一般兵を睨みつけながら引きずっていく。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
