105話 ページ7
御者さんを守るためにも、ということで、馬車の屋根にチーノとシャオロンが登った。
私たちは中に入る。
御者さんは行きとは全く違う爆速で馬を走らせた。少々揺れますが、と事前に言われていたので驚きはしなかったが。
「帰ったら、どこのやつがこれを仕掛けてきたのか調べなければな」
グルッペンがふぅと息をついたその時、
『…！ゾム！』
「っ、あぁ、こっから四キロ先くらいに敵がいっぱいおるな。これは、敵はちっちゃい組織ちゃうで」
「具体的な数は」
グルッペンの問いに、私とゾムは唸る。
「『多分、四十人弱』」
声が揃った。
私はドレスを脱ぐのをオスマンに手伝ってもらい、念のため持ってきていたいつものメイド服に着替える。このメイド服は、α国との戦争のときも着ていた、ワイテル国時代から着ている服だ。
つまりは、スパイだったころから。なので、見た目に分からないよう、細工してあったりする。
私が着替え終わると、顔を背けていたみんなが真剣な眼差しで私と、そして隣に立ち上がったゾムとシャークんを見上げた。
「三人とも、無理しないでね」
『ええ』
ネックレスを外して、スマイル様に預ける。
『みんなも、気をつけて』
「あぁ。スマイルのことは任せろ」
コネシマの力強い言葉に頷き、三人で馬車の扉を開けて飛び出した。
後ろでは、扉が閉まる音。馬車の方はこれで大丈夫。
随分とばしている馬車を追い越し、地面を蹴っていく。
実は、スパイを辞めてから体力が落ちたのでは、と、パーティーに参加することが決まってから今日までの一週間、幹部に付き合ってもらって訓練していたのだ。
これなら、仮に、仮にだが、相手があの施設の人間で、薬で強化されていても、この間のように追いつかれたりしない。
「…よし…いくで、A、シャークん‼︎」
『えぇ‼︎』「はい！」
大きく地面を蹴り上げて宙に高く飛び、銃弾を避け、敵の間を駆け抜けながら、ナイフで急所を狙っていく。
ゾムとシャークんも、どんどん相手を仕留めていく。
…動きを見たところ、半分くらいは、あの施設で強化された兵のようだ。もう半分は、一般の軍人程度かな…？
ゾムが戦いながら近づいてくる。
「やっぱ薬で強化されとるやつが厄介やな」
『そうだね…でも、』
少し微笑む。
『訓練の甲斐がありました！…あとはあなただけ』
最後の敵を殺す。
笑顔で殺しにきたのだから、今の人には私が悪魔に見えたかもしれない。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
