141話 ページ43
Aside
ドレスに着替え直したら、また街に出てデートを楽しんだ。
スマイルは私がゾムに勝ったことを喜んでくれて、褒められたことで私もニコニコとしてしまう。
日が暮れてきて、少し寂しい思いを覚えた。
「A、夜は城の特別レストランで食べよ」
『…特別レストラン…？』
「今日記念日だから、いつもの食堂がレストランみたいになってるんだよ。…二人でディナー、とか、したいなって思ったけど、良い場所分かんなくて…探しは、したんだけど…」
だんだんと俯いていくスマイル。
「普段と同じ場所だと嫌だったら、その辺で気になるお店あればそこに行ってもいいし。…ごめんね」
『なんで謝るの。…いっぱい私のために頑張ってくれたんだなって、嬉しいです』
「…良かった」
口元を綻ばせて、私の手を引く。
城に着き、幹部用の食堂に入ると、中が様変わりしていて私は固まった。
いつもの、まるで家の中みたいな雰囲気から一転、本当に高級なレストランのようになっていた。
机にはテーブルクロス。電球もオシャレなシャンデリアになっていて、普段夜にはカーテンが閉じられている大きな窓も、カーテンがとめられていて夜景と星空が綺麗に見えている。
本当に、高級レストランみたい…
メニューまで置いてあって、注文するとシェフさんが運んできてくれた。
『……！』
頬が落ちそうなくらい美味しくて、表情筋が緩む。いつもも、もちろんおいしいけど。
「…おいしい？良かった」
スマイルは微笑んだ。
『星も、街も、綺麗ですね。…覚えてますか？ワイテル国の城で、α国との戦争前に一緒に星を見たこと』
「うん。覚えてる」
『あのバルコニーから見る夜空も、綺麗でしたよね…』
なんとなく、お互い黙る。
キラキラ輝く星空が、あの日を思い出させて。あれももう、一年前のことなんだ。
戦争から帰ってきて欲しいと、そう言われて。戦争に行くときに、私は、"絶対に帰ってくる"とは言えないと思っていた。死ぬ可能性があることは確かで、だから簡単に帰ってくるなんて言えないって。
でもあの時私はスマイルに無事に帰ってきて欲しいって言われて、初めて、約束した。あれから、ちゃんと"無事に帰ってくる"という約束ができるようになった気がする。
帰ってきたら言いたいことがあるって言われたのも、その時だった。そして戦争後、告白してもらえて。恋人になって、今日で一年。
いろいろあったけど、幸せだ。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
