131話 ページ33
スマイルside
ぐらぐらと吐き気が襲う。
憂鬱とかそういう言葉で片付けられないほど、胸の中が重たくて、暗い。
目を開けると、ほっとしたような顔をする幹部たち。
「…………A、は」
心の底から、祈った。Aが生きていることを。
縋るような目でみんなを見ると、
なかむが、涙目で笑顔を作り、親指を立てた。
「手術成功。無事だよ」
生きてる。まだ、この世に、Aが。
「………よか、っ、た」
閉じられた窓の前についているカーテン。光は透けてこなくて、今が深夜帯だと分かる。
「…今日は、俺がAを…ぅ、撃った、日？…それとも…」
「あれから、三日目かな。もう少しで日付が変わるけど」
随分、眠ってしまっていたんだな。
「………Aは、いつ起きるかな」
「明日か明後日には起きるんじゃないかな。Aの傷とかは毎日確認してるけど、明日くらいにはベッドからは出れなくても、上体を起こすことはできると思う」
きんときが、よしよしと小さい子供を撫でるように、俺の頭を撫でた。
「今日はもう遅いし、安心して寝ていいよ」
言葉に甘えて、目を閉じた。
__
Aside
耳に入ってくる、鳥の声。
瞼を透かして目に入る、柔らかい光。
………あれ？
目を開く。
ベッド。医務室。
『………ど、どうして…？』
体の痛みは引いている。包帯が綺麗に巻かれていて、医療班に助けられたことが容易に伺えた。
なんで、生きてるの？殺されなくちゃだめなのに。私のことなんか助けちゃだめなのに。
「…………A、？」
隣から大好きな声がして、初めてそっちを見る。
『……スマイル…？』
紫の瞳は涙をいっぱいに溜めて、それでも笑った。
「…おかえり。A」
スマイルはベッドから出て、寝たままの私を無理に動かさないように気をつけながら、優しく優しく抱きしめる。
少し息と体が震えていて、泣いているんだとすぐに分かった。
スマイルは少しすると離れて、インカムを操作する。
「…きこえますか」
"「きこえるよ。どうしたの、スマイル」"
私のインカムにも、応答がきこえる。
「Aが、起きました」
"「……！」"
息を呑む声にならない声が、インカムの向こうからした。
数十秒もすると、ドタバタと走ってくる音がする。
バンと大きな音を立てて、扉が開いた。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
