128話 ページ30
私のインカムからオブシディアンの声が聞こえていたのか、幹部の困惑する、掠れた声がする。
「……さらば。トップスパイ」
そのまま、漆黒の瞳は光を失い、閉じられる。
…死んだ、みたい…
あいつが言っていたことは、きっと、偽りのない事実。
このままじゃ、私は__
最後の力を振り絞って、唇を動かした。
『殺してください』
「……は、」
スマイルの紫の目が、大きく揺らいだ。
『私が、私じゃなくなる前に。お願い、します、はやく…っ』
「い…嫌だ、嫌だ、俺は、！」
『ごめん、なさい。私は、あなたの手を…汚させてしまう。でも、みんなを、守るために。私は、もう、スマイルにそうお願いするしかない』
"「何か、何か方法があるはずだ…！A、早まらないで、待って！」"
インカムからきこえたなかむの大きな声に、必死に返す。
『…もう、…今既に、ギリギリの状態なんです』
"「……」"
歯を食いしばる音だけが、聞こえた。
周りには、自ら剣を捨てる兵士たち。私を殺すことは絶対にしないというように。
スマイルだけが銃を持ったまま、呆然と、立ち尽くしていた。
苦しそうな表情で胸元あたりの服の布を、ぎゅっと掴む。
「…俺が…今やらないと…じゃなきゃ、みんなが、……俺は、……俺は、…やらなきゃ…」
兵士たちはスマイルの幹部としての判断に、苦しそうに顔を歪めた。
誰も、スマイルを救えない。
一瞬視界が真っ赤になって、また元に戻った。
もう、私は、きっと、すぐに、
『スマイル…は、やく…』
�牴燭��瓩�、今にも自分で抑えられなくなりそうで。
これがきっと、アイツの言っていた殺人衝動なんだろう。
スマイルは、震える手で私を抱きしめた後、そっと唇を重ねた。…ゆっくりと、離れていく。
…最後の、キス。…もうちょっと一緒に居たかったな。
「…Aが、死んだら。すぐ俺も、そっちに行くから」
『…！スマ、イル、⁉︎』
「ダメだなんて言わせない。…みんなには、申し訳ないけど」
ごめんと呟くスマイル。
インカムから、沢山の幹部の止める声がする。
「……A。また、来世で」
そんな震える声と共にした、銃声。心臓の辺りに痛みが走った。
意識を失う前に見たのは、
今にも泣きそうな、顔。
私は、あなたに笑っていて欲しかったのに。
どうして、こうなってしまったのだろう。
そのまま世界が暗転した。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
