101話 ページ3
『ありがとうございました』
「んーん、僕も準備してくる。すぐ戻ってくるけどね」
オスマンは廊下を歩いて自室に消えていき、私は集合までまだ時間があるので部屋にまた戻った。
鏡を見て、ネックレスを置いていくかまた迷った。施設に行く時には、傷つけたくなくて、でも万が一盗まれたりしたら、と思ってスマイルに預けた。
が、今回は幹部全員が出かける。
万一敵の攻撃で傷ついても仕方ない。
今日のドレスだって、万が一のことがあれば破けようが焼けようが気にしていられない。スマイルを守ることが最重要。
靴は、例えばヒールなんか履いていたら動きにくいことこの上ないので、ヒールでこそないもののちゃんとパーティー仕様に見えるように作られた、動きやすい特注の靴にしてもらった。
時計をみると、いつの間にか集合時間になっていた。
やばい、待たせてるかも。一番近いルートは…
城門入ってすぐの庭が見える、正面の窓に走った。
身を少し乗り出すと、もう庭に集まっている幹部のみんなと、その周りに見送りのために集まった一般兵やメイドと目が合う。
なぜか、オスマン以外のみんながポカンと口を開けた。
ここは五階。まぁ、大丈夫。
『すいません！今すぐ行きます！』
ひょいっと窓枠に足をかけて、強く前に蹴った。
風を切る感覚。
トンと着地すると、固まっていたみんながわたわたと駆け寄ってくる。
「な、な、何してんの⁉︎危ないやん⁉︎」
『私あの程度なら大丈夫ですよ。ゾムも知ってるでしょ？』
「せ、せやな」
みんなに心配をかけてしまったらしい。が、ゾムに向かって言うと、みんなそういえばと納得する。
「なんか、お姫様みたいやったから、思わずAちゃんってこと忘れて心配してしまったわ」
大先生が言ったので、お姫様ではないですよと笑う。
「Aちゃん、めちゃくちゃ綺麗‼︎」
『ありがと、しにがみ』
褒め称えてくれる一人一人に返していると、いまだに固まったままのスマイルに気づく。
『スマイル…？』
幹部と周りの見物人に注目され、やっと我にかえったスマイルは、そっと私の手をとった。
「…綺麗」
『……！あ、りがとう、ございます』
急にぶわっと自分の顔が熱を孕んで、好きな人って偉大だなぁとこっそり感じた。
全員乗れる大きな馬車が用意されていたので、乗り込む。
「「『行ってきます！』」」
こうして私たちは、城を出発した。
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らーて - 大変遅くなりましたが完結おめでとうございます！自分が完結まで見れたのがすごくうれしいです。番外編と外伝も更新頑張ってください。 (2022年9月18日 17時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
犬狼(プロフ) - すごい遅くなりましたが完結おめでとうございます！！！なかなかこんな神作に会えることは少なく、完結まで見れたことがすごく嬉しいです！！！ずっとニヤニヤしてました()2週目も楽しんできます！！ (2022年9月16日 11時) (レス) @page47 id: 3dd9b50437 (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 完結おめでとうございます！ニヤニヤしながら見るくらいやっぱ最高でしたね！これから見返していこうと思います！ (2022年9月12日 22時) (レス) @page46 id: 08c0044447 (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜 - 完結おめでとうございます‼︎初期から見てて物凄く好きだったので最初から最後まで最高でした‼︎ (2022年9月12日 14時) (レス) id: bfa035e3aa (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゼリー - 完結おめでとうございます!最初のときからすごく好きだったのですが最後まで最高でした...!!番外編も楽しみです!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page47 id: c77a19be7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年8月17日 11時
