88話 ページ39
城門に着けば、ペ神と医療班が待ち構えとって、
「ゾム、この担架に！」
言われた通りAさんを横たえると、医務室の方に運ばれていった。
インカムに向かって、問いかける。
「シッマたち、俺、戻った方がええか？」
"「いや、なんとか今、四人がかりで瀕死まで追い込んだとこや。エミさんが作ってくれた新しい手榴弾のおかげで、勝てた。拘束してすぐ連れて帰る」"
…はぁ、やっと安心できたわ。
"「じゃあ地下牢の手配もしときます〜、みんな、お疲れさん」"
ロボロの柔らかい声がした。
ええ声やわ、ほんまに。ロボロのお疲れって優しい声きくと、みんな肩の力を抜けるんよなぁ…
インカムの発信スイッチを切り、受信のみ起動している普段の状態に戻す。
「さて、俺も見舞いに行く準備せな」
___
スマイルside
ゾムさんがAを連れ帰ってきてくれた。
モニターパネルの前で、ふぅと安堵するものの、心配で仕方ない。Aが戦っている時よりは少し気持ちは落ち着いたが。
ふと顔をあげると、城や付近の街の様子を監視している係の交代要員で、ずっと俺や集まってきた幹部と共にGPSを見たりインカムから漏れ聞こえる声を心配そうに聞いていた部下たちが、
「スマイル様、こっちは僕たちに任せて、A様のところに行ってください」
思わぬ言葉に、一瞬上司だということを忘れてマヌケな声が出かかった。なんとかそれを喉で留めて、
「…いいのか」
「ええって、行ってこよ！」
大先生が言うと、続々と他の部下たちも俺に向かって、
「行ってきてください、スマイル様！」
「可愛い彼女のA様が、体調崩したんでしょう？これは仕事放ってでも行かなきゃですよ！」
「戦ってるのカッコよかったってA様にお伝えください！」
「ほら、みんなもこう言っとる。甘えてええんちゃう？」
ロボロさんに優しく声をかけられて、肩に手をポンと置かれる。
「…ありがとう」
俺が部下のみんなにお礼を言うと、笑顔を返してくれた。
みんなで廊下に飛び出して、駆け出す。事情を知らないメイドや見回りの兵たちが、ぎょっと飛び退いた。
行くと決まったら、一刻も早く。早くAに会いたい。心配で仕方ない。
"「静かに来てくださいよ⁉︎」"
インカムで俺たちの会話を聞いていたきんときの、小声ながら悲鳴のような声を聞きながら、医務室に辿り着いた。
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らーて - 初コメ失礼します。こんな素敵な作品が読めて僕は幸せです！。続き楽しみにしています。更新頑張ってください。 (2022年8月10日 15時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
涼夏人 - 失礼します。初コメです。この作品、神！神作！続き楽しみにしています。頑張ってください！ (2022年8月8日 16時) (レス) @page31 id: 8404a67f98 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - おかえりなさい！！自分もめっちゃ低くてやばかったです！ゆっくり待ってます！頑張ってください (2022年6月29日 14時) (レス) @page7 id: d3fac2225a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - おかえりなさい！！僕の方がテストやばかったので安心してください…☆ゆっくりで大丈夫なので！！更新待ってます！、 (2022年6月28日 22時) (レス) @page7 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - おかえりなさい！お話はゆっくりで良いのですのよ！おかえりなさい(о´∀`о) (2022年6月28日 19時) (レス) @page7 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年6月12日 11時
