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71話 ページ22

スマイルside


無理矢理Aを談話室に引っ張ってきて、ソファに押さえつける。

『やだ、やだ、コネシマさんのとこ行くの』

「ダメ。今のAは正気じゃないから」


じと、と不満げな瞳が向けられる。


……なんで、俺を見てくれないの。

惚れ薬のせいっていうのは、分かってるけどさ…


「はぁ…」


深くため息をついて顔を手で覆う。

どうしたものか…


「あのね、今は分からないかもしれないけど…Aは俺の__」


彼女、そう言おうとしたところで少し恥ずかしくなって、チラリとAに目を向ける。




………いない。




「…え、?」



慌てて周りを見渡せば、談話室の扉が開きっぱなし。

…逃げた…⁉︎


そうだ、だって、もともとα国こトップスパイ。非戦闘員の俺で、抑えていられるわけなかった?


「…やばい、」

コネシマさんにキスしようとしたAの姿が頭の中に蘇る。

Aが俺以外にキスしたら、嫉妬とかそんな言葉で片付かないくらい、嫌だ。


急いで医務室まで走る。途中ですれ違った兵にぎょっとした目を向けられた。


それはそうだ、前までずっと引きこもっていた幹部が、今は必死の形相で走っているんだから。


医務室に辿り着くと、コネシマさんを始めとするみんなの必死な声が聞こえた。


「やめましょ、Aさん!俺よりスマイルさんの方が絶対いいでしょ⁉︎ッちょ、ほんま…後悔すんで⁉︎」


「そうですよ!一旦コネシマさんから離れましょうAさん⁉︎」


ぎゃーぎゃーと大騒ぎだ。

俺が来たのを見て、なかむが救いのような目で見てくるが、申し訳ない、俺にもどうにもできないんだ…


「…クラレ先生!」


きんときが、クラレ先生が医務室に来たのを見て弾かれたように立ち上がって駆け寄った。


「解毒剤できました⁉︎」

「いや…できてない…」


げっそりとしたクラレ先生。

これは、自然に効果が切れるのを待つしかないのか…?


「とりあえず…一つ、医療担当からの見解をいいかな」


きんときが、手を挙げた。


「なんとなく、惚れ薬に本人が抗っている気がする。口調が不自然に幼い。多分、抗うことでそうなってる」

「…そう、なのか?」

「うん。だから、安心して良いよ。ちゃんとAは、お前のことが好きだ」



突然きんときに抱き寄せられた。

いつのまにか体が強張っていたのか、ふっと体の力が抜ける。体の力が抜けたことで、それに気づいたくらい、全く意識していなかった。


 

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らーて - 初コメ失礼します。こんな素敵な作品が読めて僕は幸せです!。続き楽しみにしています。更新頑張ってください。 (2022年8月10日 15時) (レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
涼夏人 - 失礼します。初コメです。この作品、神!神作!続き楽しみにしています。頑張ってください! (2022年8月8日 16時) (レス) @page31 id: 8404a67f98 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - おかえりなさい!!自分もめっちゃ低くてやばかったです!ゆっくり待ってます!頑張ってください (2022年6月29日 14時) (レス) @page7 id: d3fac2225a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - おかえりなさい!!僕の方がテストやばかったので安心してください…☆ゆっくりで大丈夫なので!!更新待ってます!、 (2022年6月28日 22時) (レス) @page7 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - おかえりなさい!お話はゆっくりで良いのですのよ!おかえりなさい(о´∀`о) (2022年6月28日 19時) (レス) @page7 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむね☆ | 作成日時:2022年6月12日 11時

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