初恋と私と彼と (ページ18)

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じゅうななわページ18

いやだ、なんにも聞きたくない。

いますぐ、頭を抱えて、しゃがみこんでしまいたい。

「はやく教えなさいよ！！」

女性はまだ叫び散らしている。

そんな声も聞こえなくて、何もできなくて、ただただぼぅっと突っ立っていることしかできなかった。そんな私が気に食わなかったのか、女性は大きく振りかぶる。

…ぶたれる

ぼんやりと意識の中で判断して、とっさに身構えた。しかし、パァアン！とか乾いたいた音がなっただけで、わたしの頬に、予想していた痛みは訪れなかった。

中「何してるんですか」

打たれた頬を痛そうに撫でながら、女性を射抜くように見つめたのは、中村さんだった。

中「あー、やっぱり、いいです。とりあえず、ストーカー被害ってことで警察、連絡します」

頭をガシガシっとかいて、深々とため息をついた中村さんは、女性を無理やり立たせて、警察に連れて行った。

_____どう、して

逃げてしまったのに。

なぜこの人は助けてくれるんだろう。

わたしの頬に、一粒の涙が滑った。