〇奇病は仮病 ページ33
担架の上で痛みに耐えるようにうねうねする監督に付き添いの看護師が必死になって(？)安心するように言い聞かせる。
〔しっかりしてください！手術室まであと少しですからね〕
「監督？」
「手術ってどういうことだ？」
〔わっ、私はこれからお尻の穴からきのこが生えるという奇病の緊急手術を受けなくてはいけません。ぬぉ〜！〕
「それは病気じゃなくて、ただキノコがそのまま消化されずに出てきただけでは？」
実際、キノコ類は食物繊維の塊のようなもので消化しきれなかった物がその形のままで出てきてしまうことはある。
が、それを奇病と称しているところが謎で、そのような病気は実際あっただろうか。
と考える詩音を静かに制したのは野坂だった。
詩音の発言で監督の事態(仮病)を察した数人は呆れたようにため息を着く。
だが、詩音は普通にその病気があると思いこみ「お大事に」などと意味の無い言葉を発しているし、純粋な円堂などは真に受けて画面から目を離さずに真剣に話を聞いていた。
〔ということなので、すみませんが今日の試合は皆さんにお任せしま…ぬぅ〜ん！〕
監督はそう言って手術室に入っていった。
そこで映像は切れた。
「………え」
「さぁ、出発だ」
笑顔のつくしと、またかと言わんばかりの表情で頭を抱える杏奈。
詩音はもうバスへと足を進めており、全く動く気配のないみんなに首を傾げる。
「行かないんですか？」
「いや「行かないんですか？」じゃねぇだろ！こんなの見せられてスルーできねえだろ！」
吉良が皆の気持ちを代弁するかのごとくつっこむ。
しかし、詩音だけでなく伊那国の人達も特に気にする様子なく話している。
「前にもこんなことあったでゴスね」
「試合直前に警察に捕まったり、急に故郷に帰っちゃったり」
「フッ、なるほど。これは監督なりの仮病ってのとだね」
岩戸と稲森がそう言い、ほかのメンバーも頷くを見て、野坂は微笑みながらそう言った。
「あ、仮病なんですね」
「気づいてなかったのかよ」
詩音はその会話を聞くとはじめてキノコの奇病は仮病だったと自覚した。
今更な発言に灰崎がツッコみを入れる。
「いや、あまり呑気に構えていられる状況じゃ……」
「ああ。大事な今日の一戦を、監督抜きで戦うって、ことだからな」
基山と風丸の言葉に、円堂と坂野上が驚きの声を上げた。
「気づいてなかったのですね」
「それ、お前が言うかよ」
「そこは気づいてました」
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おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» プロフから行けるボードに書き込んでおいたので良ければそちらを参照ください！！お話等もそちらを使っていただければ幸いです。お手数お掛けしますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年9月7日 18時) (
レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月7日 18時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» 高評価、ありがとうございます！！これからも応援宜しくお願いします！！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - はじめまして!とても素晴らしいです!高評価しました! (2021年9月7日 16時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - 返信ありがとうございます！最高ですね！次回も楽しみにしています！ (2021年9月2日 6時) (レス) id: f751d7262a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2021年8月19日 10時
