〇子文の離脱 ページ21
皆は今ミーティングルームに集まっていた。
「次は中国戦です。世界に行けるかはこの戦いに掛かっていますよ」
「俺達と中国は勝ち点で同数」
「最後の直接対決にもつれ込んだってことですよね」
万作と氷浦の言葉に相槌を打つ監督。
中国は今までサッカーが強い国ではなかったと聞くので、ここまで勝ち進んでいることがかなり腑に落ちない様子。
それ相応の特訓で強くなったのか。
特訓も時間を費やせばいいと言う訳では無い。
しっかり手応えのあるメニューをこなさなければここまでの短期間で強くなることはおそらく不可能だ。
詩音は思い当たる節があるのか、監督をじっと見ている。
「世界に行けるのはどちらか一方！勝つしかありませんよ〜」
監督がそう言った瞬間、扉が開かれ子文がやってきた。
子文はそのまま壇の上に上がって口を開いた。
「皆さん、今までお世話になりました」
「え？」
「何だよそれ？どういうことだよ？お世話になりましたって」
いきなりの報告にみんな戸惑いを隠せずに口々にそう問う。
「子文君は、退っ引きならない家庭の事情で代表キャンプを離れることになりました」
「「「え！？」」」
「そんな！」
「監督、一体どういうことなんですか？」
「どういうこともなにも、そういうことです」
「監督！」
「待て、まぁなにか事情があるんだろ」
出来事にそぐわないトーンで言う監督に神門がつっかかるが、万作がそれを制する。
事実、ここで騒いでもどうにもならない決定事項だ。
「ここまで一緒にやってきたのに……」
「残念ですね」
「全然そうには見えねぇけどな」
稲森の後に調子を合わせるかのように呟いた詩音は文字通りの棒読みだった。
感情がどうこうではなく、明らかに何も感じていない言い方だった。
そこに冗談半分でツッコミを入れた灰崎だが、詩音はむしろ頷いた。
「特に何も感じませんし」
「ｹｯ (こいつはそういう奴だった)」
詩音の言葉に今更のように思う灰崎。
詩音の言葉の裏にはまた別の意味が隠されていたのに気づくようすも全くない。
「皆さんに最後までお付き合いできないのは残念ですが、皆さんは素晴らしいサッカープレイヤーです。きっと、良い結果を残せるはずです！」
「再起不能にしてやるんじゃなかったっけ？」
「再起不能にするって言ってませんでした？」
子文のお別れの言葉に疑問を持った詩音が言葉を発したのは氷浦と同じタイミングだった。
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おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» プロフから行けるボードに書き込んでおいたので良ければそちらを参照ください！！お話等もそちらを使っていただければ幸いです。お手数お掛けしますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年9月7日 18時) (
レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月7日 18時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» 高評価、ありがとうございます！！これからも応援宜しくお願いします！！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - はじめまして!とても素晴らしいです!高評価しました! (2021年9月7日 16時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - 返信ありがとうございます！最高ですね！次回も楽しみにしています！ (2021年9月2日 6時) (レス) id: f751d7262a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2021年8月19日 10時
