〇子は親の鏡 ページ3
あたりは黒雨で真っ暗だ。
まだ雨が降り始めてから20分程しか経っていないのに、すでに大きな水溜りがあちらこちらに見えた。
「……！詩音さん！！」
「光さん……？」
やはり一星の読み通り、いつものベンチに座っていた。
だが傘を指していないのを見ると、雨が降り始める前からここにいたということになる。
「詩音さん！風邪ひきますよ」
「……ごめんなさい」
詩音はそう言うが全く動く気配がない。
一星は詩音の隣に座り、傘の中に彼女を入れた。
その事に驚いた詩音は、雨で張り付いてしまった前髪のせいで見えている紅い瞳を大きく見開いた。
そして、一星の顔を見る。
彼は笑っていた。
「まだここにいるなら、俺も付き合いますよ」
「光さん……」
何を思ったのか、詩音は「一つ聞いていいですか」と尋ねる。
もちろん断る理由もない一星は、はいと答える。
「光さんの家族はどんな方々ですか？」
「……はい？」
こんな質問がくるとは思わなかった一星。
でも、彼女は至って真剣だ。
「……みんな優しくて楽しい人でした」
「優しくて楽しい家……だから、優しいんですね」
「え？」
すると、彼女は詩を歌い出した。
試合中のような鼻歌ではなく、ちゃんとした詩を。
「『けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる。
褒めてあげれば、子どもは明るい子に育つ。
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思い込んでしまう。
愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ。
子どもを馬鹿にすると、引っ込み思案な子になる。
認めてあげれば、子どもは自分が好きになる。
トゲトゲした家庭で育つと、子どもは乱暴になる。
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもはこの世の中はいいところだと思えるようになる』」
そう歌った彼女の音は＿＿＿
「寂しいんですか？」
「……え？」
酷く弱々しく、今にも消えそうだった。
ーーー
今回の詩は『子は親の鏡』です！
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おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» プロフから行けるボードに書き込んでおいたので良ければそちらを参照ください！！お話等もそちらを使っていただければ幸いです。お手数お掛けしますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年9月7日 18時) (
レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月7日 18時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう(プロフ) - 星猫さん» 高評価、ありがとうございます！！これからも応援宜しくお願いします！！ (2021年9月7日 18時) (レス) id: e52fd62a9b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - はじめまして!とても素晴らしいです!高評価しました! (2021年9月7日 16時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - 返信ありがとうございます！最高ですね！次回も楽しみにしています！ (2021年9月2日 6時) (レス) id: f751d7262a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2021年8月19日 10時
