おねがい ページ2
「…っ…あれ…」
「…ようやく目ぇ覚ましたかー…」
「クロさ、ん……えっと…この状況は…？」
目を覚ますと見慣れた自分の寝室のベットの上に僕は横になってた、…のは良いのだけれど。
「……あの、何で僕の寝室にクロさんがいて、
その…僕の上にまたがっているんですかね…？」
「…あー……気分…？」
「いや気分で節操の危機に陥りたくないですよ。
これでも僕は一応女の子なんです…」
「そんなの見れば分かる…めんどくせー…」
至近距離にあった彼の端麗なお顔が離れる、
真昼にクロさんは吸血鬼とか聞かされてたから
「もしかして僕の血を吸うために…？」などと
勘ぐったがその赤の瞳には怠さしか窺えない。
「…薔薇、か？」
「っ…はい、母が趣味で育ていて…」
寝台の横に備え付けられている花瓶に
３本の生けられている赤い薔薇。
記憶を無理矢理にでも掘り出そうとするような、
可憐なソレは前世の彼女と恐ろしいほどに
似通った僕の母さんが庭で育てている…
ー美術館に行きましょう？ー
ー有名な画家の展覧会が開いてるのよ…ー
毎日、毎日…僕が物心ついた頃から…ずっと、
その同じ会話が永遠に両親に繰り返されていた。
最近になってから母と父の口からは
その言葉以外に発せられていないと気づく。
ーねぇイヴ…行きましょう…？ー
ーイヴ、きっと楽しい日になるぞ…ー
もう僕の名前はそうじゃないのに。
あの狂った両親を見ているだけで吐き気が襲う
薔薇を渡されるたびに千切り捨てたくなる。
もう、この悪夢に独りで耐えられる気がしないよ
「……おい、どうし「ク、ロさんっ」…何だ」
甘えるな、もう僕だけじゃ、黙ってろ、助けて
相反する自分の中の考え。
上手く言葉が出てこない…、
僕はどうしたい、何を彼に求めている？
過呼吸のように拙く呼吸をしていると
頭に暖かなぬくもりが触れた、
見上げるとクロさんが真っ直ぐに僕を見ていて
言葉の続きを話すことを待ってくれている。
もう、我慢なんてできなかった
「僕を…っ私を…彼を、あの子を…！
どうか、…あの場所から助けてッ！！」
何年ぶりだろう、誰かにお願いするのは。
まだ彼を信じていいかも分からない、
彼が何かを変えてくれるか信じていいのかも。
それでも僕は「任せろ」と言い切り、
抱き締めてくれた彼に涙を零すことしか
出来なかった。
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タピオカレモン - サーヴァンプもイヴも好きなのでこの作品見た時テンション崩壊(←良い意味で)しました！ありがとうございます！！！！ (2017年3月5日 16時) (
レス) id: ae7df0ebae (このIDを非表示/違反報告)
うららか@受験により出現率低(プロフ) - ま、まさかのビックフットさんｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!え、ちょっ、驚きのあまりに私携帯を落としましたよ！携帯ｨｨｲｲ！！あっ、じゃなくて私もぜひともお話しさせて頂きたいです！！良ければボードにどうぞ！！！ (2016年10月9日 18時) (レス) id: 65ecdb8d07 (このIDを非表示/違反報告)
ビックフット(プロフ) - ibとSERVAMPなんて珍しいですね！とっても面白かったです！私もうららか様と語ってみたいです！頑張って下さい！ (2016年10月9日 18時) (レス) id: e9db22fe32 (このIDを非表示/違反報告)
うららか@受験により出現率低(プロフ) - 泡雪さん» 何と！！どちらも知ってる方なんていないと思っていたので号泣しそうです！！うわぁああありがとうございます！頑張ります！！ (2016年10月8日 23時) (レス) id: 65ecdb8d07 (このIDを非表示/違反報告)
泡雪(プロフ) - うららか＠受験により出現率低様！ibすきなのですか！？なんと気が合いそうな！しかもサーバンプ！小説の更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2016年10月8日 7時) (レス) id: 555ba12928 (このIDを非表示/違反報告)
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