おまけ『505号室』『606号室』 ページ21
No side
ーー『505号室』ーー
薫「朔間…さん？」
慌てて走って行った看護師たちとすれ違いながらたどり着いた病室には、1年ぶりに目を覚ました吸血鬼がボーッと天井を眺めていた。
零「あー、お前ライブハウスの…」
薫「羽風薫ね。はぁ〜、俺はちゃんと覚えてあげてんのに…。あんたが連れてきたアドニスくん、今誰が面倒見てると思ってんの？」
あ、と思い出したように零の目が少し見開いた。芋づる式に思い出されたのは、自分の周りをうろちょろしていた子犬だ。
零「わんこはどうしてる？」
薫「元気有り余ってるよ。結構大変でさ〜、後輩の面倒見るの。そもそも男に優しくするなんて、俺らしくないしね」
零「…そうか。悪かったな。押し付けるみてぇな形になって」
薫「ほんっと。これからはあんたにもビシバシ働いてもらうから…」
？「はぁ、はっ…兄者…？」
扉に目を向ければ、息を弾ませながら縋るように零を呼ぶ声とともに、凛月が立っていた。
零「り…」
凛「んのっバカッ！」
言葉の強さとは裏腹に、弱々しく肩を殴られた。
凛「ほんとに、なんなの…俺を1人にしないでよ…」
零「…もう、どこにも行かねぇよ。今までお前1人に家のこと背負わせて悪かったな。安心しろ。これからは俺が引き受けるから」
凛「…2人でやるんだよ」
零「！ あぁ、2人で、な」
1年ぶりに抱き寄せた弟の背中は、少し大きくなっていた。
ーー『606号室』ーー
逆先夏目が目を開くと、クリスマスツリーのてっぺんに輝く星のような黄色いふわふわとした髪の毛と、青い瞳が覗き込んでいた。
？「センパイ！目ぇ覚ましたな〜！」
？「えぇっ⁈あ！本当ですね！夏目くん、俺のこと分かりますか？」
必死に記憶を手繰り寄せ、それぞれ自己紹介をする。金髪の少年は、ソラというらしい。
つ「実は、この3人でユニットを組みたくて…夏目くんが起きるのをずっと待ってたんです」
宙「センパイはししょーがリーダーにぴったりって言ってたな〜」
夏「師匠？」
宙「はい！ししょーはソラに幸せの魔法を教えてくれるってセンパイが言ってました！だからししょーです！」
夏「おかしな子だネ。ボクのことを師と崇めるなんテ…。とっても純粋でいい子なんだろウ」
つ「はい！宙くんは良い子ですよ！だから、俺と、いえ、俺たちとやり直しませんか？」
夏「いいヨ。キミたちとなラ、退屈しなさそうダ」
坂先夏目は、青葉つむぎの手を取った。
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ラヴィ(プロフ) - AYさん» ありがとうございます！正直ネタ切れなんでリクエストあったら教えてください！私ができる限りにはなりますが実現させるので！ (2020年5月14日 2時) (
レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
AY - 待ってました！これからも更新頑張ってくださいね♪ (2020年5月13日 8時) (レス) id: b293a3810d (このIDを非表示/違反報告)
バレーノ(プロフ) - モフレさん» ありがとうございます！モフレ様もお体に気をつけてください！ (2020年3月19日 1時) (レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
モフレ(プロフ) - 初コメ失礼します…！このお話好きすぎて何回も最初から読み返してます……！お体に気をつけて頑張ってください！応援してます (2020年3月18日 21時) (レス) id: ac508ad555 (このIDを非表示/違反報告)
バレーノ(プロフ) - 宵城さん» ありがとうございます！ゆっくりですがしっかり更新していきます！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バレーノ | 作成日時：2019年10月27日 8時
