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No side
シ「ふぅ…全くといっていいほど手応えがなかったのだよ。よくこれで僕に挑もうと思ったものだ。その勇気だけは評価してやってもいい」
貴「うっわぁ…辛辣〜」
カ「しゅうはいがいと『せんとうきょう』ですよね」
ナ「カナタにいさん、どこでそんな言葉覚えてきたノ…?」
ワ「まぁ、シュウより…」
ワタルがチラリとレイへ目をやった。
ワ「魔王様の方が、そこら辺は厳しそうですけどね」
レ「オイ!誰か俺に挑めよ!暇なんだよ!何時間ここで待たされてると思ってんだ!」
レイが目を吊り上げ、囚人たちを怒鳴りつける。
終いには地団駄まで踏み始めた。
よっぽど退屈していたのだろう。
女「ならアタシが相手してあげるわ」
スッ、と出てきた女はむさ苦しい男たちの中には似つかわしくない、美しい外見をしていた。
セイラはムッ、と自分と女の胸を見比べて頰を膨らませる。
シ「? 心配しなくても、君の方が美しいよ」
ワ「違いますよシュウ!セイラは彼女より胸が小さいことを気にし、痛いっ!」
ワタルの脛にセイラの踵が決まった。
貴「べっつに⁉気にしてませんし⁈そもそも私は?ソコで勝負してないんで?ステージが違うっていうか?」
カ「せいら〜どうどう、です♪」
ナ「ハァ…やっぱり短気じゃン…」
貴「もう私の味方はカナタにぃとシュウにぃだけだー!」
と、外野が騒いでいるうちに、レイと女は向かい合っていた。
女「ね?私のこと外に出してくれたら、3つまで言うこと聞いてあげる」
レ「は?それ俺ちゃんになんのメリットがあんの?」
女は顔をしかめる。
女(私が誘ってやってんのに…)
てか、とレイはうんざりしたように欠伸を1つ。
レ「3つの言うこと聞くとかのやつさ、今やってくんね?
1つ、そのうるせぇ口を閉じろ。
2つ、そもそも俺にはセイラがいるからお前はいらねぇ。
3つ、よって俺の前から消えろ」
女「へ…?」
レ「ん?なんかおかしいな。2つ目のやつ命令じゃなくなかったか?
ま、いっか」
レイが首をかしげる足元で、女は見るも無残な姿になっていた。あえて言うなら、腹綿を引きずり出されたぬいぐるみ。
レ「俺にはお前がいれば十分だもんな〜。
お前もそうだろ?」
未だにナツメと言い合いをしているセイラを後ろから抱きしめる。
貴「え?私はみんなにもいてほしいんだけど…」
レ「…」
貴「え、なに⁉痛っ!頭ぐりぐりしないで〜!」
ワ「レイ、真顔怖いです」
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作者名:バレーノ | 作成日時:2019年2月1日 15時