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No side
貴「だぁぁぁ!むっかつくっ!」
ナ「だからっテ、ボクで憂さ晴らししないで欲しいナ…」
ここは飛行船内のトレーニングルーム。
セイラは先ほどのヒソカとのやりとりで溜まった怒りを、ナツメ相手にスパーリングすることで発散していた。
セイラの拳も蹴りもまともにくらえばシャレにならないため、ナツメはその全てを受け流す形で躱していく。
パシィンッ!とナツメの手にセイラの拳が収まったところで動きが止まった。
貴「うぅぅぅぅっ……
だぁぁぁっ!やっぱムカつく!」
シ「情緒が不安定だね」
カ「『かるしうむ』がたりないんですよ。
『おさかなさん』をたべましょう♪」
ワ「そこは普通牛乳なのでは?」
レ「もうどっちだっていいだろ」
くだらない会話にナツメが疲労たっぷりの声で言う。
ナ「ねェ、そろそろ誰か代わってくれなイ?」
ネ「ふぉっふぉっ。それならじいじとやろう♪」
貴「あ!じいじだ!」
ネテロに気づいたセイラがとてとてと駆け寄っていく。
貴「じいじ〜、何して遊ぶの?」
ネ「簡単じゃよ。ワシからこのボールを取ってみぃ」
ルールを聞いたセイラの目がギラリと光る。
貴「ハンデは?」
ネ「お主くらいなら、無くても平気じゃろ?」
貴「上等!」
瞬間、ネテロの眼前に右手が突き出された。
それを少し状態を反らして躱し、セイラの上を飛び越える。
ネ「まだ開始の合図も出しとらんのに…
せっかちじゃのぉ…」
貴「ごめん!でも今ちょっとイライラしてて余裕ないから、許して!」
着地地点に待ち構えていたセイラが姿を消した。
次の一瞬では、ネテロの上に影が出来ていた。
高く上げられた足は、天井を向いていたネテロの腹に真っ直ぐ振り下ろされる。
一見綺麗に決まったように見えるそれだが…
貴/レ(浅い…!)
ネ「ふぉっふぉっ!この程度の衝撃、緩いわ!」
貴「ぐっ⁈」
空いていた手で腹に張り手をくらい、天井まで吹き飛ばされる、が、そのまま天井を蹴り、勢いをつけてネテロの元まで戻るセイラ。
最も距離が近くなったタイミングで、腕を大きく振ってボールを弾こうとする。
しかし、ネテロはそんなこと百も承知だ。
ネ「ハンデはなしじゃもんね〜」
貴「んあっ⁈そんなんアリ⁈」
手元を狙ったセイラだが、ボールは一瞬にしてネテロの爪先に移った。
そのまま流れるように腕を拘束され、地面に組み伏せられてしまう。
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作者名:バレーノ | 作成日時:2019年2月1日 15時