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022
「ご馳走様でした」
言いながら、両手を合わせる。
そこまでお腹が空いている訳では無かったが、斉藤さんの作ってくれた料理が美味し過ぎて、ペロリと平らげてしまった。
「お粗末様でした」
先に食べ終わって、穴が空くんじゃないかと思うくらいに私を見つめていた彼は、満足そうに微笑んだ。
調理中にぎこちなくなってしまった空気が、美味しい料理のおかげで和らいでいたというのに、私だけが緊張の中、食事をすることになってしまった。
だというのに、原因である彼はとても楽しそうで、少し腑に落ちない。
だけど、楽しそうにしている彼に、私が何か言えるはずもなくて。
「すっごく美味しかったです！」
食事中から何度言ったかわからない感想を、改めて伝える。
本当に彼の作る料理は、今回も前回の朝食もとても美味しくて。
そりゃあ、メディアという公の場で料理をすると公言する訳だと妙に納得した。
「Aさんのお口に合ったようでよかったです」
変わらず楽しそうにニコニコしている斉藤さんが可愛くて、思わずキュンとしてしまう。
彼が楽しそうにしていると、私まで楽しくなってくるから不思議だ。
調理中は少し楽しくなり過ぎて、はしゃぎ過ぎてしまった気がするけど⋯。
でも仕方ないじゃん。
声優としての彼ではなく、“斉藤さん”自身が好きだと自覚してから、初めて約束して会うのだ。
しかもデートという名目で。
緊張もしたけど、何より楽しみだったんだもん。
少しくらい浮かれてもいいのでは無いだろうか。
「いつかAさんの手料理も食べてみたいなぁ」
何ともないことのように、軽い感じでサラリと彼は言う。
一体、何を言っているのだ。
こんなにも美味しい料理を作る人に手料理を振る舞うだなんて、簡単にOKを出す人がいると思ってるのだろうか。
けれど、2回も手料理をご馳走になっている上に、楽しそうな彼に水を差すようなことを私が出来る訳もなく。
「⋯斉藤さんみたいに、こんなに美味しく出来なくてもいいのでしたら」
渋々了承すると、とても嬉しそうな綺麗な笑顔が返って来た。
「勿論。Aさんの作った料理なら、どんなのだって食べます」
本当、こんな恥ずかしいことをサラッと言ってのけてしまうところは凄いと思う。
それも、こんなにもニコニコと。
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うらら(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。全て読んでくださったなんて、すごく嬉しいです！本当に理想ですよね...！のんびり更新になりがちですが、お付き合いいただけると嬉しいです！ (2023年5月3日 21時) (
レス) id: 883b848a52 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 前作から全部読ませていただきました。もう最高過ぎて終始ニヤニヤがとまりませんでした。隣の部屋に推しが住んでたとか理想のシチュエーション過ぎます。続き楽しみにしています。 (2023年5月3日 0時) (レス) @page33 id: 152e2618cd (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - ななはさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！コメントいただけて、とても嬉しいです。更新頑張ります！ (2023年4月23日 10時) (レス) id: 883b848a52 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - 一気読みしちゃいました…！！めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！！ (2023年4月23日 1時) (レス) id: d3c7f32016 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました💦 (2023年2月28日 14時) (レス) id: 883b848a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2023年2月27日 22時
