36. ……違う。 ページ37
ああ、またあいつか……と思いながら構える。しっかりと照準(？)を定めて……あれ？
「Fiamma-Rosso-Primo！」
何かが違う、と思った時にはもう呪文を唱え始めていて、止めることが出来なかった。炎の玉は綺麗に飛んでいき……命中、したけど……
「……効いてなさそう」
反応からして、効果がなさそうだった。ひるむどころか反応もない。まさに『痛くもかゆくもないですよ』と言われているようなもの。というか、これはどう見てもゴーレムではない(いつものあいつをゴーレムと呼んでいいのかすら怪しいけど)。あれが人型なのに対し、こいつは……鳥？火が効かないことって、ある？
クールタイムなので周りチェック。健は普通に最前線、蒼太は弓矢を構えては放ってを繰り返している。理紗は……蒼太の後ろで、なぜか突っ立っていた。
「……理紗？」
近寄って声をかけてみる。すると、すぐに振り返って、私がなにか言う前に口を開いた。
「舞ちゃん、どうしよう……ウィンドウがおかしい」
「ウィンドウ？」
魔法の一覧を見てみる。特に問題はなさそうだけど……どうしたのかな。
「……さっき聞こえたの」
聞こえる？一体、何が、
「舞に理紗！戦いに参加してくれ！」
私たちの言葉と思考を健が遮る。
「理紗が何か変だって言うから話を聞いてるの！」
つい言い返してしまう。
「べ、別に大したことじゃ……」
「それよりも属性だろ！舞の炎が効かなかったんなら、別のことを試そうぜ！」
今度は理紗の声が遮られる。話聞いてよ、と言いそうになって、それでもぐっとこらえた。今の問題はこの鳥に火が効かないこと。火以外で何か、と思ってウィンドウを見る。おかしな所はない……風魔法にしようか。
「Vento-Rosso-Primo」
杖の先で風の刃が生まれた。そして飛んでいく。こういう魔法では切断武器と似たようなことができたりするのかな、と思いながら行く末を見守る。その鳥(私よりでかいけど)は飛び上がった。
風の刃は、避けられてしまった。
そこからは必死だった。何となく、水が効くんだろうなと分かったのはいいけれど……
「健、Freddo-Giallo-Primo」
それ以降、蒼太が忙しくなってしまった。2人の武器に冷却効果なるものを乗せ続けている。
「Acqua-Rosso-Primo……外した」
そして私は、水の玉を当てるのに苦労していた。
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シュウ - 待っ…面白いです！ (2021年9月3日 0時) (
レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
恋 - 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)
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