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20.まだまだ色々わかりません。 ページ21

トイレから出てきた私たちが1番に目にしたのは、昨日と同じ格好の健と蒼太……でもあるけど、それより前に、赤黒い空に目がいった。今の時間は……『元の場所』では確か午前10時ぐらい、のはず。『こっち』には時間はないのか、それとも……

『また 来てくれたんですね』
 4人が揃ったその時、例のウィンドウが出てきた。

『来て下さると信じていました』
『おかげで きっと 世界は救われます』
……世界、ねえ。あまり自覚はないけれど。というか、前回はほとんど説明を受けていないよね。突然戦うように言われて、ゴーレムを倒してから即帰ることになって。1人は助けたけど……

「えーっと、詳しく説明してくれないかな?僕たちが勇者(ゲーマー)だっていうこととか……」
蒼太が、ウィンドウに向かってきいた。私もそれは大事だと思う。隣では理紗が頷いている。

『オモテは このままでは ウラに 侵食されてしまいます』
『イレギュラーは オモテを 支配しようとしています』
『あなた方は ゲーマーなので ウラへの 適性があります』
『例えば』
次々に表示されては消えていく、あのウィンドウ。私たちは何も言わずに読んでいたけれど、『例えば』まで表示されたところで消えてしまった。
 まるで、何かとの接続が切れてしまったかのように。

「……あのー?」
ウィンドウに声をかけてみても、何も表示されない。また、少し前と同じ。このウィンドウ、大丈夫かな……。

 しばらくこのまま立っていたけれど、正直に言って多くの情報は得られなかった。あたりを丁寧に見渡してみても、雰囲気が恐ろしいこと以外に違いはないように見える。蒼太は近所のことをよく覚えているから、これは良い事だとカウントしてよさそう。
 それから、1番気になるのは勇者(ゲーマー)としてのウラへの適性とかいうやつ。適性、と言われましても。何がどうなっているのか、肝心なところを話す前にウィンドウが消えてしまったから分からない。

「あのさ、学校行かないか?」
少し時間がたってから、健が言った。健によると、穴ができたのは学校で、人を見つけたのも学校なんだから、学校に行けば良いだろうと。なるほど、一理ある。
 それに蒼太が賛成したのもあって、私たちはとりあえず学校を目指すことにした。

「渡辺先生……」
歩き始めたその時、理紗が呟いたのが聞こえた。

21.情報不足は1番困ります。→←19.もう一度行っちゃいますよ。



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設定タグ:ファンタジー , 名前変換オリジナル , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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シュウ - 待っ…面白いです! (2021年9月3日 0時) (レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
- 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーちゃん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月30日 21時

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