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19.もう一度行っちゃいますよ。 ページ20

「あっ、舞ちゃん!」
「2人とも、同じ電車だったんだね」
そう、隣には健もいる。駅のホームで会った、ただそれだけ。まぁ、今回のことについての会話はしていたけれど。私たち2人の決意は揺らがなかった。ここにいるということは、2人もそうなんだよね。

 じゃあ早速、と健がキーホルダーを取り出す。私はそれを慌てて止めた。
「ここだとマズイでしょ、人がいる!」
「あ……そうか」
前回の時も、30分では会ったけど『オモテ』からは消滅していた。今回もそうだとしたら、人が多い駅の前で消えるのは非常にまずい。おまけに、このキーホルダーは光るのだ。
 さて、駅で目立たないところなどあるのか……結論、ない。仕方がないので少し歩いて、公園のトイレまでやってきた。
「ここは正直綺麗じゃなくて。ほとんど誰も来ないから大丈夫だよ」
何度かこの公園で遊んだことがあるという蒼太がそう言ってくれた。

 男女にわかれてトイレに入る。鏡の前で2人、深呼吸をひとつ。個室には誰も入っていない。
「じゃあ……せーので押すよ」
理紗が頷く。私たちの右手には、例のキーホルダー。裏返すとボタンがついていた。蓋付きなあたりは親切。爪の先で蓋を開け、親指を近くにもっていく。

「いくよ……せーの!」
私と理紗は、同時にボタンを押した。

 キーホルダーが光り出す。すかさず目を閉じる。足が地面から離れる感覚。ああ、前と同じだ。

 しばらくすると、着地したことが分かった。一呼吸おいて、ゆっくり目を開ける。そこには、昨日『ウラ』に来た時と同じ服を着た理紗の顔があった。
 トイレの鏡もちゃんとあるので、自分の姿を確認する。全てが前と同じ。『僧侶』な雰囲気の理紗と、『魔法使い』な雰囲気の私。きっと男子トイレには、『剣士』な健と『弓使い』な蒼太がいるんだろうな。

「そういえば、ステータスとかあるの?」
きっとどこかにいる、『ウィンドウ』に話しかけてみる。……待っていても、何も起こらなかった。

 どちらにせよ男性陣と合流しないといけないので、私と理紗はトイレから出た。

 これはいわゆる『つづきから』。けれどもまだ『はじめから』に近いのは、何となく分かっていた。

20.まだまだ色々わかりません。→←18.きっと正しいんですよね。



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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シュウ - 待っ…面白いです! (2021年9月3日 0時) (レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
- 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーちゃん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月30日 21時

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