落ちこぼれ少女と王子様 。 （ 9 ）

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当たり前の毎日が胸の高鳴りなら、それ以上に私が楽しいって感じることってなんなんだろう？









歌は好き…だけど輝きが足りない









慣れてしまうと胸の高鳴りすらも消えてしまうのかな…









ベッドに寝転んでひたすら考えた。









もう眠気も近づいてきていて何を考えていたかも分からなくなる。









ｶﾞﾁｬ…









煎じ「あ、いた」









ボーッとしていると二番くんが部屋に入ってきた









煎じ「ずっと探してたのに。まあいいや」









と言いながら横に寝転んできて私を見つめてくる









ダボダボなシャツから鎖骨がちらりと見えていて色気が溢れ出ている。









あまりにも見つめてくるので「なに」と聞いてみた。









煎じ「いや、なんか。侑斗って人とあんなに笑い合うのに俺には" 何 "のその1言なんだなぁって」









A「んわ。ごめんじゃん、ついバイトが楽しくて…」









煎じ「…別にいいけど。」









そう呟いて私の上着をグイッと引っ張った。









ので必然的に私は二番くんとピッタリくっついていることに。









煎じ「こうやってAの寝顔見れてることは侑斗って人には見れないものだしね。笑顔は見てるかもだけど。」









A「はいはい、分かったからw」









煎じ「…寝る。おやすみ。」









私をぎゅううううっと力強く抱き締めて眠りはじめた二番くん。









すぐ近くにその整った顔があって、細い体があって。









毎日の安心はきっとこれ。この香り。









もう覚えてしまうほど夢にも出てきたこの香り。









それも二番くんらしいなぁと思いながら私も目を閉じた









いい夢が見れますように。









明日はちゃんと、早起きして早くレコーディングが終わればバイトに行けるし…









バイトのことも歌のことも活動としては真面目に考えなくちゃなぁ。









…考えるのは明日にしよう。









おやすみ世界。さよなら今日。

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