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乱歩side





バタンと扉を閉めた先は僕の部屋。
Aが来たいと云ったのだ。


玄関に入り直ぐにAがその場にしゃがみ込む。
手を繋いでいたからか、少しだけバランスが崩れた。





「そこ狭いし。入るなら入ってよ」


『すみません、腰抜けてます』





震える声と震える躰。
どれ程怖かったのだろう。

其れも其の筈。
彼女と太宰は探偵社でも一番気の合う同期だったし何よりお互いの事は何でも知っていた。


だからこそより怖かったのだろう。
よく知ってると思っていたから、知らない一面を見た瞬間に今まで築き上げてきたものが一気に崩れ落ちて、彼女は其れに耐えられなかったんだと思う。



はぁ、と溜息を漏らしてAをリビングへ連れて行くために姫抱きする。
吃驚されたが、玄関にずっと居られるのも困るし。


ソファに座らせ靴を脱がす。
流石に靴をそこら辺に置いておく訳にも行かないので、もう一度玄関に行って靴を置いてリビングへ戻ると、ソファに座り乍ボロボロと涙を流しているAが。


『ら、んぽ、さん』



何で僕まで心が苦しくなっているんだろう。






モヤモヤした気持ちを誤魔化す様に、彼女を抱きしめた。




「……何もされてないの?」

『されて、ません。ただ、怖くて、治くんは私にずっと優しかったから。出掛けようって云われた時もこんな事になるなんて、思わ、なくて、だからっ…』

「うん、分かってる。もう大丈夫だから。僕が居るから」


抱きしめている手で頭を数回撫でれば、Aの嗚咽が聞こえてきた。




抱え込みすぎなんだよ。此方が心配になるくらい。




「もっと僕を頼って」とカッコ付けた台詞は言葉に出来ずに空気と共に消えた。

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オキくん - この作品サイッコー!乱歩さんかっこかわいすぎる!これからも頑張って下さい! (2019年10月12日 17時) (レス) id: 5d04af8ab7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - 尚さん» うがががが私も好きですぅぅぅぅ乱歩さんのキャラ崩壊しない様に(もうしてる)頑張ります(;▽;)(;▽;)ありがとうございます!!! (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - natu2525さん» もう一個あったんですね(;▽;)(;▽;)ありがとうございますううう!!(何ヶ月ぶり) (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ァァァァァ乱歩さんがァァァァァ(語彙力の消失)好きです!更新頑張ってください! (2019年6月7日 23時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
natu2525(プロフ) - 淳じゃなくて、【敦】ですよー! (2019年6月1日 18時) (レス) id: 998ef4aa34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し丸33号 | 作成日時:2019年4月11日 13時

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