28波 ページ29
少し昔の話をしよう
あれは去年のこの時期、父から誕生日プレゼント
と言ってパソコンを2つもらった
1つは白色で軽量型のノートパソコン
もう1つは少しゴツくて 持ち運ぶには不便さを感じる
至って普通の黒いパソコン
2つとも大きさが違うだけであまり大差はなかったのだが
白い方はちゃんとした電源ボタンがあるのに対して
黒い方はキーボードと画面があるだけで
電源ボタンがなかった
当時のわたしは、パソコンに対しての知識が乏しく
ただの不良品かと思い、こんなものを送ってきた
父に少し怒りをいだきながらも
日がたつに連れ
あまりそうとは思わなくなった
ところがある日の夜 机に置いてあった箱の中の
パソコンが少し光っていた
それは例の不良品かと思ったパソコンだった
恐る恐る開けてみると
どうやら画面が光っているようだった
開くと
『驚いたか?』
なんて呑気なことを言う父の顔が見えた
父によるとそのパソコン 父との連絡報告専用
パソコンだそうで
なぜ父だけなのかと疑問を抱いたが、1つは
普段母よりも滅多に合うことのない父は
寂しい思いをしているであろう
わたしをきづかってのことだそうだ
他にも理由はあったが
長いので省略 また紹介しよう
このとき父の意外な一面を見ることができた
そんなこんなで
何ヶ月に1回はこうして連絡や近況報告などをしている
今日はその日だ
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『どうだ、東京での暮らしは
1人で寂しいんじゃないのか』
「そんな事ないベ、あれ言わんかったっけ
沖矢さんっていう人が面倒見てくれてるって」
『ああ、お母さんから聞いた 彼も大変だったそうだな
とは言え、得体のしれない、しかも米花町でそんな見ず知らずの人を自分の家に住まわせるとか俺には到底できん』
「うーん、悪い人じゃないよ
. . .
っていうか何、米花町でって」
『なんだ 知らないのか 東都の米花町はな
日本で一番犯罪発生率が高いんだ』
「ぇ、初めて聞いた」
『俺は お母さんから聞いたとき最初は反対したんだが
まあ、これも経験だと思った それに(ゴニョゴニョ)』
「ぁ?何 聞こえんのやけど」
『いや、なんでもない そうだしばらくは
暇があったらこうして話す機会を設けよう』
「ぇ、お父さん仕事は?」
『大丈夫だ、時間は作るから』
「嬉しい いっぱい話す!!」
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のの丸(プロフ) - 蒼華さん» コメントありがとうございます。今、少しずつできて来ているので更新したら暇つぶし程度でも、読んで頂けたら幸いです。 (2021年2月20日 15時) (レス) id: 96ad3857c6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼華 - めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年2月20日 14時) (レス) id: ad2360c9bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの丸 | 作成日時:2020年4月22日 14時