【d!】好きこそ物の上手なれ (ページ3)

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tnside

『ったく…何処行ったんやあいつ…』

また書類放ったらかして遊びに行きやがって…

『あんのクソ鬱！！！！』

怒りのままに大声を出す。

期限が迫っている書類をやらずに城を抜け出した鬱を探しながら歩く。

あいつ此方がどれだけ面倒臭い思いをして残された書類をやってんのかわかっとんか…？？

ほんまシバくぞ…今日という今日は許さへん

暫く歩いていると誰かの声が聞こえる。

鬱か？！(歓喜)

そんな期待を込めながら声のした方へ向かう。

だがそこに居たのは鬱ではなく、ましてや男でも無かった。

『…何しとるんあんた』
つい声をかけてしまった。

「ﾊｲ？」

え、何をそんな驚いた顔しとるんこの人。

「ｱｯ…ごめんなさい直ぐ何処かに行きますので！」

そう言うと女は走りだそうとしていた。

『あっそういう事じゃな、ちょっと待っ、………！！』

……行ってしまった。
結局なんだったんや…？

そう思ったのも束の間、うほぉという失礼だがゴリラの様な叫びが聞こえる。

女が行った方向を考えると、あそこには崖があったは…ず…

『はぁ…』

溜息をついて女が落ちたであろう崖下へ向かう。

『やっぱりかよ…はぁ…』

崖下には予想した通り女が横たわっとった。
まだ息はある様で、意識は失っているが苦しそうに唸っている。

『さて、どうするかね…』

このまま放って置いてもええんやけど、こいつは観光客かもしれん。…慌てようから見てそうではなさそうやけど。

『面倒臭いけど連れてくかぁ……』

意識の無い女を背負い、帰ったら珈琲を飲んで落ち着こうと思いながら城へと向かった。